マークアップ言語
/まーくあっぷげんご
コンピュータ言語の一種で、文章とその文章の構造(文字の大きさ、色、改行など)を規定するマークアップ(タグともよばれる)からなる。最も有名なマークアップ言語は、Web上で文章を表示するためのHTML(HyperText Markup Language)である。HTMLで、例えば<Font Size="6">大きめの文字</Font>というマークアップを記述することで、Webブラウザで表示する文字の大きさを指定することができる。C言語やJavaなどの言語特有の文法を理解しなければならない「プログラミング言語」に比べ、マークアップ言語は、データをマークアップで挟むだけで直観的に記述することができる。
マテリアルフロー
/まてりあるふろー
事業活動に伴って製品の製造、出荷、使用、廃棄などが行われることについて、それらに含まれる化学物質(特に金属等の元素)に着目したライフサイクルでの流れのこと。通常は「我が国におけるマテリアルフロー」といった形で、国などの大きな単位で把握が試みられる。一般に、物質のマテリアルフローを明らかにすることによって、環境対策などの優先順位の判断などを合理的に行うことが可能になるものと考えられている。
類似の概念として「マスフロー」という言葉が使われるが、これは一つの事業所や工程などの小さな単位において、質量保存の原理に基づいて排出量などを算定するときの基礎となる考え方である。
摩耗製品
/まもうせいひん
PRTRの届出外排出量の推計対象となる排出源は、溶剤などが大気へ蒸発したり、使用した薬剤が水へ放流されることを想定した排出源が多いが、中には摩耗によって製品の一部が飛散することによって環境中へ排出されるものがある。このような摩耗による飛散を想定した排出源を「摩耗製品」と呼ぶこととしており、既に推計対象となっている摩耗製品には鉄道車両のブレーキパッド等がある。 また、鉄道車両の集電装置(例:パンタグラフ)も摩耗製品に該当するが、排出量推計に必要なデータが現時点までに得られておらず、排出量の推計・公表には至っていない。
マルポール条約 (MARPOL条約)
/まるぽーるじょうやく
「1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書(International Convention for the Prevention of Pollution from Ships, 1973, as modified by the Protocol of 1978 relating thereto)」の通称。「1954年の油による海水の汚濁の防止に関する国際条約:International Convention for the Prevention of Pollution of the Sea by Oil (OILPOL), 1954」を引き継いだ条約であり、MARINE POLLUTIONの略称。英名では、「MARPOL 73/78」と略称される。
船舶の運行や事故による海洋汚染防止を目的とした条約であり、船舶で輸送する油や化学製品の輸送に係る内容、船舶からの汚水、廃棄物、排ガスに関する内容が附属書I〜附属書VIで規定されている。
我が国は1983年に加入し、当該条約を担保する国内法として「海洋汚染防止法」がある。
マルポール条約附属書Ⅰ
/まるぽーるじょうやくふぞくしょいち
マルポール条約の附属書のうち、油による海洋環境汚染を規制するためのものであり、「油による汚染の規制のための規則」のこと。附属書Ⅰにおいて「油」は、「原油、重油、スラッジ、廃油、精製油その他のあらゆる形態の石油(附属書Ⅱの適用を受ける石油化学物質を除く。)をいい、付録Ⅰに掲げる物質を含むが、これらに限られない。」と定められており、附属書Ⅱの対象(有害液体物質)が附属書Ⅰの対象から除外されているところであるが、近年、IMOにおいて、附属書ⅠとⅡの対象物質の区別が明確でないことが指摘されており、その区別を明確にするための指針作成等の議論が行われている。
マルポール条約附属書II
/まるぽーるじょうやくふぞくしょに
マルポール条約(MARPOL条約)の附属書のうち、ばら積み輸送される液体物質による海洋環境汚染を規制するためのものであり、「ばら積みの有害液体物質による汚染の規制のための規則」のこと。
化学物質の有害性に基づく分類(汚染分類)及びその判定基準を定め、有害液体物質及びそれを含むタンク洗浄水等の海洋への排出を原則禁止するとともに、貨物タンクの洗浄方法や排出基準等を定めている。
なお、この附属書は、原則として、ばら積みの有害液体物質を運送することが認められる全ての船舶に対して適用される。
マルポール条約附属書X
/まるぽーるじょうやくふぞくしょご
マルポール条約(MARPOL条約)の附属書のうち、船舶からの廃物による海洋環境汚染を規制するためのものであり、「船舶からの廃物による汚染の防止のための規則」のこと。
食物くずや貨物の残留物等の、船舶の通常の運航中に生じる廃棄物(廃物)について、特定の場合を除いて海洋への排出を禁止するとともに、排出要件や排出記録の保持等について規定している。
なお、この附属書は、原則として、全ての船舶に対して適用される。
マルポール条約附属書VI
/まるぽーるじょうやくふぞくしょろく
マルポール条約(MARPOL条約)のうち、船舶からの大気汚染物質等の排出を規制しているのが「附属書VI 船舶からの大気汚染防止のための規則」である。
この附属書では、大気汚染防止を図る手法として、主に次の3つが規定されている。
2.硫黄酸化物や粒子状物質の排出を低減するための燃料中硫黄成分を規制する
燃料規制
3.一般的な海域と比べ、より大気環境への影響が懸念される地域に対して適用される
特別な排出基準・燃料基準等(「大気汚染物質放出規制海域(ECA)」参照)
なお排出基準及び燃料規制はIMOでレビューされ、段階的に強化されてきている。
慢性水生生物毒性
/まんせいすいせいせいぶつどくせい
化学物質等が水生生物に及ぼす有害性のうち、長期間の曝露を想定したもののこと。有害性の程度は、一般には魚類、甲殻類、藻類等の試験によって評価され、NOEC(最大無影響濃度)等の指標の値として示される。
未査定液体物質
/みさていえきたいぶっしつ
海防法では、液体物質を船舶でばら積み輸送する場合、その物性や有害性等を評価し、有害液体物質等に指定し輸送することとされているが、まだ有害液体物質等に指定されていない液体物質を未査定液体物質と呼ぶ。
未査定液体物質を船舶でばら積み輸送する場合、国際間輸送する場合はIMO等、国内輸送の場合は国等がその物性や有害性を評価し、有害液体物質等に指定した上で輸送することとなっている。
水噴射
/みずふんしゃ
ガスタービンに用いられる窒素酸化物の排出抑制対策技術の一つ。ガスタービン燃焼室内の温度上昇に伴い窒素酸化物の発生量は指数関数的に増大する。水噴射は、蒸気や純水を直接燃料室内に噴霧し燃焼室温度を下げることで窒素酸化物の発生を抑える。
ミネラルスピリット
/みねらるすぴりっと
工業用ガソリン4号の通称であり、主に塗料の希釈に用いられる石油系混合溶剤の一種である。JIS K 2201により、引火点30℃以上、終点205℃以下と規定されている。引火点が高く蒸発が遅いため、金属製品の洗浄などにも用いられる。一般にターペンとも呼ばれる。
MOVES
/むーぶす
米国環境保護庁(EPA)によって開発された自動車排ガス専用のシミュレーションモデルのこと。MOVESとは"Motor Vehicle Emission Simulator"の略である(MOVES2014a_2015年10月リリース)。車両走行時の排出に加え、ランニングロス(RL)、ホットソークロス(HSL)等の燃料蒸発ガスの排出量を予測できる。
無影響濃度
/むえいきょうのうど
化学物質の毒性を表す指標の一つであり、水域へ排出されても水生生物等に影響が出ないと考えられる最大の濃度。NOEC(No-Observed-Effect Concentration)とも表記される。
無毒性量
/むどくせいりょう
化学物質の毒性を表す指標の一つであり、人や動物が曝露されても悪影響を受けないと考えられる最大の量のこと。通常は、人などが摂取する化学物質の量を体重1kg当たりかつ1日当たりに換算して"mg/kg-体重/日"といった単位で表す。NOAEL(No-Observed-Adverse-Effect Level)とも表記される。人への無毒性量は動物試験で得られた結果を基に設定されることが多い。
メッシュ
/めっしゅ
緯度と経度に沿った直線で地理的な範囲を網の目(メッシュ)に区切ったものを地域メッシュと呼び、大きさに応じて1次メッシュ(緯度40分(1度の2/3)、経度1度ごとの区画)、2次メッシュ(1次メッシュを東西・南北に各8等分)、3次メッシュ(2次メッシュを東西・南北に各10等分)等と呼ばれる。そのうち3次メッシュは東西・南北方向が共に1km程度であり(東西方向の距離は緯度によっても異なる)、地域メッシュによって地理的な分布を表すとき最も頻繁に使われるため基準地域メッシュとも呼ばれ、8桁のメッシュコード(例:52364726)が付与されている。
面的評価
/めんてきひょうか
道路交通騒音の「面的評価」とは、主要幹線道路から50mの区域に位置する住居等における騒音曝露状況を評価することである。従来は道路端の測定点での実測値によって騒音が評価されていたが、「騒音に係る環境基準」の改定(H11.4施行)に対応し、一定範囲内での騒音レベルが環境基準を超過する割合等によって評価する方法に改められた。したがって、前者の評価方法を「点的評価」と呼ぶのに対比して、後者を「面的評価」と呼ぶ。
騒音規制法第18条では、「都道府県知事は、自動車騒音の状況を常時監視し、その結果を環境大臣に報告しなければならない」とされており、「面的評価」では、自動車交通騒音の予測モデルを用いて、沿道に位置する住居等の等価騒音レベルを推計し、評価区間の環境基準達成率を算出する。
モデルイヤー
/もでるいやー
米国において「製品が製造されたおおよその年」を意味する。厳密には「年式」とは異なるが、これに近い概念で用いられる。米国の大気浄化法(CAA)の自動車エンジン排ガスに関連する規則でも定義され(※)、モデルイヤーで区切って排ガス基準値を強化する手法がとられることが多い。
(※)§85.2302 Definition of model year
モニタリング
/もにたりんぐ
大気や水質などの環境の状態を継続的に把握するのに行う濃度等の測定や調査のこと。ある時点における全体像を明らかにし、問題点を見逃さないような調査を行うことをサーベイランスと呼ぶのに対し、モニタリングは継続的に調査を実施して濃度等の「変化を把握すること」に主眼がある。大気汚染や水質汚濁などの常時監視が典型的なモニタリングである。
モニタリング地点選定ガイドライン
/もにたりんぐちてんせんていがいどらいん
都道府県等による有害大気汚染物質のモニタリングを支援するため、環境省が作成するガイドラインのこと(H25.6時点では未公表)。中央環境審議会の第九次答申(H22.10.18)を踏まえ、環境省では有害大気汚染物質のモニタリング地点を合理的に配置するための方策について検討を重ね、その結果をガイドラインの形で取りまとめ、都道府県などに配布することとした。このガイドラインは、別途見直される予定の「大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準」のうち、有害大気汚染物質に係る内容を補足するものと位置づけられる。
モニタリングデータ
/もにたりんぐでーた
大気や水質などの状態を継続的に測定(監視)することをモニタリングと呼び、その結果として得られるデータをモニタリングデータと呼ぶ。一時的な測定で得られたデータはモニタリングデータとは呼ばず、長期間に亘って継続的に測定され、濃度などの増減が把握される形で得られたものがモニタリングデータである。
モンテカルロシミュレーション
/もんてかるろしみゅれーしょん
乱数を利用した数値計算手法の総称であり、一般に「確率論的問題」と「決定論的問題」で適用される。前者では求める値の計算式に確率変数の関数が含まれる場合に、その確率分布を基に乱数を発生させて多数回計算を行い、求める値の分布を算出する。後者では高次元、多変量の積分など式が複雑で計算量が多くなる場合に、確率モデルに置き換えた後、乱数を発生させて近似解を求める。
モントリオール議定書
/もんとりおーるぎていしょ