ライフサイクル
/らいふさいくる
製品は、その原料採取から製造、廃棄に至るまでの全ての段階(原料採取→製造→流通→使用→リサイクル・廃棄)において様々な環境への負荷(資源やエネルギーの消費、環境汚染物質や廃棄物の排出など)を発生させており、これらの各段階(ライフステージ)を一連の流れとして捉えたものをライフサイクルと呼ぶ。
我が国のPRTR制度ではオゾン層破壊物質の排出量を推計しているが、オゾン層破壊物質は、製品中に含まれて出荷された後、使用段階や廃棄段階で排出されるものが多いため、そのライフサイクルに基づく排出量推計が不可欠である。例として、冷凍冷蔵機器やエアコンは、現在オゾン層破壊物質を冷媒として製造されるものは少なくなったものの、以前出荷された機器は現在も市中で稼働しており、オゾン層破壊物質が市中で稼働している間、また使用済みとなって廃棄される際に大気へ放出されている。
ライフステージ
/らいふすてーじ
化学物質の製造から使用を経て廃棄されるまでのライフサイクルの中で、それぞれの「段階」をライフステージと呼ぶ。一般的には「製造」「調合」「工業的な使用」等に区分されることが多い。ライフステージにより化学物質の使われ方が大きく異なることから、化学物質の管理等の場面ではこのような区分を用いて現状把握や対策を検討することが多い。
ラジオゾンデ
/らじおぞんで
気温、気圧、湿度を測定するセンサーを搭載した気象観測装置。ヘリウムガスを充填したゴム気球に取り付けて放球し、上空30km付近までの大気の状況を観測する。ラジオゾンデは、ゴム気球を用いた大気観測手法の総称であり、単位時間当たりの移動距離から風向・風速を算出するレーウィンゾンデ、GPSを搭載して風向・風速を測定するGPSゾンデ等がある。気象庁では、2009年以降、レーウィンゾンデからGPSゾンデに移行した。気球は放球後、測定地点から遠方に流されることが多いが、測定結果は放球した地点の直上の値として扱われる。
ランニングロス
/らんにんぐろす
ガソリン車において、燃料タンク中のガソリンが走行に従って高温になり、キャニスタのパージ能力を超えて発生する蒸発ガス。RL(Running Loss)と略称される。
リード蒸気圧(RVP)
/りーどじょうきあつ(あーるぶいぴー)
リード法(JIS K2258)によって測定された華氏100℉(37.8℃)における石油製品の蒸気圧。自動車用ガソリンはJIS K2202において上限が定められており、78kPa以下(夏季用は65kPa以下、寒候用は93kPa以下)とされている。なお、軽油は沸点範囲が170〜370℃と高く、常温で蒸発しないためJISによる規格はない。
RVPは、Reid.Vapor Pressureの略称。
陸上受入施設
/りくじょううけいれしせつ
船舶から発生する廃物等を受け入れるために港や係留施設に設置される施設のこと。マルポール条約附属書Xでは、締約国が、「廃物を受け入れるための適当な施設であって航海に不当な遅延を生じさせることなくこれを利用する船舶のニーズに応じたもの」を港及び係留施設に設けることを確保することが規定されている。受入施設の用途は条約ごとに異なり、船舶バラスト水規制管理条約では、バラストタンクの洗浄等によって生じる沈殿物を受け入れるための施設を確保することが締約国に課されている。
リサイクル
/りさいくる
従来は廃棄物を再利用することを「リサイクル」と称してきたが、現在では循環型社会における3R(Reduce・Reuse・Recycle)の考え方に基づき、その中の一つとして「再資源化」の意味で使われている。循環型社会の実現に向けた方針として、第一義的に重要なことがReduce(廃棄物の発生抑制)であり、二番目がReuse(再使用)で、Recycle(再資源化)は3Rの中で優先順位が最も低いものと位置づけられた。サーマルリサイクル(熱回収)も3Rの中のRecycleに位置づけられるが、マテリアルリサイクルよりも優先順位が低いものと位置づけられている。
粒径
/りゅうけい
大気中に浮遊する粒子状物質の粒子径(空気動力学径)のこと。日本では粒径が10μm以下の浮遊粒子状物質(SPM)と2.5μm以下の微小粒子状物質(PM2.5)に対して環境基準等が設定されている。粒径がナノレベル(0.01μm程度)の粒子については、超微小粒子等と呼ばれている。
粒子数
/りゅうしすう
大気中に存在する粒子の個数のこと。粒径が非常に小さい粒子の場合、人への影響は粒子状物質の環境基準に用いられている単位体積当たりの重さ(質量濃度)よりも、存在する粒子の数に強く依存する。そのため、欧州では2011年からディーゼル自動車(重量車を除く)に対して粒子数による規制が開始され、2016年のICAO本会議では航空機用ジェットエンジンの粒子数に係る届出が義務付けられる等、超微小粒子の主要な発生源については粒子数による取組が開始されている。
流出率
/りゅうしゅつりつ
環境中に排出された農薬等の数量のうち、河川中に流出する割合のこと。農薬の場合には、田や畑に散布する際に飛散して直接河川に排出される場合や、降雨時に雨水と共に河川に排出される場合等が想定される。
河川に流出した後、さらに河川中での動態も考慮して、目的とする地点まで到達する割合を表す「流達率(りゅうたつりつ)」とは区別して扱われる。
LOAEL
/ろあえる
化学物質の有害性評価に係る指標のひとつであり、特定の化学物質を反復的に試験対象(動物)へ投与した場合等において、試験対象に毒性学的影響が認めれる最小の用量をいう。最小毒性量(Lowest Observed Adverse Effect Level)ともいう。似たような指標として無毒性量(NOAEL;No Observed Adverse Effect Level)があるが、こちらは「毒性学的影響が認められない最大の用量」 である。 環境リスク評価の観点から信頼性がLOAELよりも高いとされているが、試験によってはNOAELを求めることができない場合(※)があり、NOAELをLOAELで代替することがある。
一般に、NOAEL≦LOAELであり、LOAELでNOAELを代替する場合は、LOAELを10で除すなどの外挿を行う。
※例えば、10μg、20μg、・・・と化学物質を投与した場合に、最小の10μgで影響が出てしまうと自信を持ってNOAELを設定することができないため、LOAELによる代替が検討されることがある。
参考 : 化学物質のリスク評価がわかる本 (NITE)
ロット
/ろっと
製造業における製造の単位。通常は原材料や製造時期、製造方法などが同じで、製造品の品質にほとんど差がないと考えられる範囲のものを一つのロットとしてカウントする。