ESPH
/いーえすぴーえいち
Working Group on the Evaluation of Safety and Pollution Hazards of Chemicals (化学薬品の安全性の評価を検討する作業部会)のこと。IMOのPPR小委員会に設置される作業部会であり、液体化学物質の有害性に係る査定及び関連事項に係る審議を行っている。
一斉分析
/いっせいぶんせき
複数の化学物質の濃度分析を同時に実施する手法のこと。多数の化学物質の濃度を把握する必要がある場合に有用であり、環境水中の要調査項目のモニタリングへの適用等が検討されている。複数の化学物質の検量線データ等を事前にデータベースに登録しておき、特定の測定条件(使用する器具や手順、試薬等)で分析を行う方法などがある。
HME
/えいちえむいー
harmful to the marine environmentの略で、海洋環境に有害なもののこと。マルポール条約附属書Xにおいて、貨物残留物にHMEである物質が含まれる場合には原則排出禁止とされている。また、同附属書において、固体ばら済み貨物は、穀物を除いて、HMEであるかどうかを荷送人が分類し宣言(船長に通知)しなければならないことが定められている。 HMEであるかどうかについては、マルポール条約附属書Xの付録Iに定められる分類基準(GHS分類等に基づく判断基準(例:水生環境有害性の急性毒性区分1))に従って判断することとされている。
液体ばら積み貨物
/えきたいばらづみかもつ
ばら積み輸送される液体の貨物のこと。船舶による液体ばら積み貨物輸送は、SOLAS条約及びマルポール条約附属書Ⅱの規制対象となる。なお、マルポール条約附属書Ⅱにおいて「液体物質」は、「37.8℃において、蒸気圧が絶対圧で0.28MPaを超えない物質」として定義されている。 ⇒「有害液体物質」参照。
MEPC
/えむいーぴーしー
⇒「海洋環境保護委員会」を参照
IBCコード
/あいびーしーこーど
化学品のばら積み輸送のための船舶の構造及び設備に関する国際規則「International Bulk Chemical Code」のこと。IMOにおいて査定済みの液体物質の(汚染分類を含む)輸送要件の一覧と、各輸送要件の詳細や判定基準が示されている。全21章から成り、液体物質の輸送要件一覧は第17章及び18章に掲載されている。なお、新たな化学品は毎年IMOにおいて査定されており、数年(2〜5年程度)に1度の頻度でIBCコードの物質リストも改訂されている。最新のIBCコードは、2014年6月発効。
亜硝酸性窒素
/あしょうさんせいちっそ
"NO2-"の形態で存在する窒素のこと。農地で散布される肥料や生活排水中の成分が環境中の微生物の働きで分解される過程で生成される。ただし、酸素が十分に存在する通常の環境では亜硝酸性窒素は硝酸性窒素"NO3-"へと酸化されることから、土中や水中に亜硝酸性窒素として蓄積されることはほとんどない。現在の水質環境基準は硝酸性窒素と亜硝酸性窒素を合算したものとして設定されているが、近年、特に亜硝酸性窒素の人への健康影響が懸念されており、水道の分野においては亜硝酸性窒素の独立した管理も行われている。
汚染分類
/おせんぶんるい
ばら積み輸送される液体物質の有害性に基づく分類であり、マルポール条約附属書II第2章第6規則に規定されている。有害性の程度に応じて、X類、Y類、Z類(有害性の程度は、X類>Y類>Z類)、その他の物質(OS:有害でない物質)に分類され、各物質を輸送する際には、それぞれの汚染分類に応じた排出方法やタンクの洗浄方法の規定に従う必要がある。物質の汚染分類に係る査定は、事業者の申請に応じてIMOが実施しており(※ただし、国内輸送に限られる物質の査定は、未査定液体物質査定検討会が実施している。)、これまでに査定された物質の汚染分類は、条約上はIBCコードの第17章及び18章又は関連する回章等に規定されており、国内法上は海洋汚染防止法の施行令別表第一又は関連する告示に規定されている。
汚染防止・対応小委員会(PPR)
/おせんぼうし・たいおうしょういいんかい(ぴーぴーあーる)
Sub-Committee on Pollution Prevention and Responseの略称。国際海事機関(IMO)の委員会(MEPC等)に付属する小委員会の一つであり、委員会の指示に従い、船舶による海洋環境の汚染の防止・規制等に係る技術面・運用面の問題等について検討を行っている。マルポール条約や船舶バラスト水規制管理条約等の海洋環境に関する国際条約や、それらに関連するガイドライン等の運用・見直しに係る検討を行っており、作業部会において新たに申請された有害液体物質の評価も行っている。 なお、IMOでは2014年に小委員会が再編され、PPR小委員会は、再編前のばら積み液体・気体(BLG)小委員会における審議事項について主に検討することとされた。
海洋環境保護委員会(MEPC)
/かいようかんきょうほごいいんかい(えむいーぴーしー)
Marine Environment Protection Committeeの略称。国際海事機関(IMO)の全加盟国から構成される委員会の一つであり、船舶による海洋環境の汚染の防止・規制等について検討を行っている。特に、マルポール条約や船舶バラスト水規制管理条約等の海洋環境に関する国際条約や、それらに関連するガイドライン等の策定・改定に係る検討を行っている。
活性物質
/かっせいぶっしつ
船舶バラスト水規制管理条約のガイドラインにおいて定義される「有害水生生物及び病原体に対し、一般的又は特別な作用をもたらす物質又はウィルス又は菌を含む生物」のこと。一部のバラスト水処理システムにおいて生物を処理するために用いられ、殺生物機能を有する化学物質(例えば、次亜塩素酸や過酸化水素)等が該当する。活性物質を使用するバラスト水処理システムは、前記のガイドラインG9に従って活性物質が環境へ与えるリスクの評価を行い、その結果についてIMOの承認を得る必要がある。
貨物運送小委員会(CCC)
/かもつうんそうしょういいんかい(しーしーしー)
Sub-Committee on Carriage of Cargoes and Containersの略称。国際海事機関(IMO)の委員会(MSC等)に付属する小委員会の一つであり、委員会の指示に従い、船舶による貨物・コンテナの取り扱いに関する条約や規制の効率的な実施に係る技術面・運用面の問題について検討を行っている。具体的には、SOLAS条約やマルポール条約等の国際条約や、関連する規則の運用・見直しに係る検討を行っている。
なお、IMOでは2014年に小委員会が再編され、CCC小委員会は、再編前の危険物・固体貨物(DSC)小委員会における審議事項について主に検討することとされた。
環境基準
/かんきょうきじゅん
人の健康の保護などを目的に、大気汚染や水質汚濁等に関連して「維持されることが望ましい基準」として環境基本法に基づき指定されているもの。大気汚染や水質汚濁の場合、大気や水に含まれる汚染物質の濃度(ppmやmg/Lなど)として、環境庁告示等で基準値が指定されている。そのうち、水質汚濁に係る環境基準は、さらに「人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)」と「生活環境の保全に係る環境基準(生活環境項目)」に分けて項目が指定されている。
>>> 環境基準について(環境省HP)
基準値
/きじゅんち
環境基準や排出基準などは遵守すべき値として示されるが、その「値」のことを意味する。単に「環境基準」と呼ばれるときも、項目ごとの遵守すべき値を含む意味を持つが、特に「値」を強調する場合に「基準値」と呼ばれる。
急性水生生物毒性
/きゅうせいすいせいせいぶつどくせい
化学物質等が水生生物に及ぼす有害性のことであり、短期間の曝露を想定したもの。有害性の程度は、一般には魚類、甲殻類、藻類の3種類の試験によって評価が行われ、LC50(半数致死濃度)、EC50(半数影響濃度)等の指標の値として示される。
グラブサンプリング
/ぐらぶさんぷりんぐ
河川や大気などのモニタリングにおけるサンプリング方法の一種。水質調査の場合、特定の場所、時間にボトル等を用いて採水する。水質汚濁防止法に基づく公共用水域の常時監視のための水質調査方法として採用されている。採取したサンプルを分析することにより、サンプルを得た瞬間の濃度を高い精度で把握することが可能である。一方で、環境中での存在量が一定期間で大きく変化する物質(農薬など)を捉える方法としては適していない可能性がある。
GESAMP-EHSグループ
/げさんぷいーえいちえすぐるーぷ
GESAMP Working Group on Evaluation of the Hazards of Harmful Substances Carried by Ships (WG1)のこと。GESAMPの作業部会のうち、船舶によって輸送される化学物質の有害性評価等を行っている。
GESAMPハザードプロファイル
/げさんぷはざーどぷろふぁいる
マルポール条約附属書Ⅱに基づく化学物質の汚染分類の評価を主な目的として、化学物質の有害性に関する 13 項目について、有害性の高さや性質に応じた数値又は記号(レーティング)を付すことにより、物質の性質を表すもの。GESAMP-EHSグループが策定したものであり、レーティングの基準は GHS に準じている(ただし、ハザードプロファイルではレーティングの数値が大きい方がより有害性が高いことを意味する)。GESAMPハザードプロファイルの一覧(GESAMP Composite List)は、PPR.1/Circular 等によって公表されている。
健康項目
/けんこうこうもく
水質汚濁に係る環境基準のうちのグループの一つ(もう一つのグループが生活環境項目)で、正式には「人の健康の保護に関する環境基準」という。現在はカドミウムや全シアンなど27項目が指定されている(※1,4-ジオキサンが平成21年度に追加された)。指定されている項目は、重金属や有機塩素系化合物など、事業場からの排水に含まれる可能性の高いものが多い。
このような環境基準は、長期間継続して人が摂取しても健康に悪影響が生じないと見込まれる水質の水準として設定されるものであり、原則として年平均値として基準値(例:0.003mg/L以下)が決められている。
>>> 健康項目(環境省告示 別表1)
建築物用地下水の採取の規制に関する法律
/けんちくぶつようちかすいのさいしゅのきせいにかんするほうりつ
政令で指定された地域(大阪府、東京都、埼玉県、千葉県の一部地域)内において、建築物用地下水の採取による地盤沈下を防止し、国民の生命及び財産の保護を図り、公共の福祉に寄与することを目的として昭和37年に制定された法律のこと(昭和37年制定、平成12年最終改正)。
政令で指定された地域を対象に、建築物用水(冷房、暖房、水洗便所、自動車の洗車)への利用を目的として地下水を採取する場合には、都道府県知事又は指定都市の長の許可(許可基準項目:ストレーナ位置及び揚水機の吐出口断面積)が必要であり、無許可で地下水を採取し建築物用水として利用したり、都道府県知事の命令に違反したりした場合には、罰則が適用される。
所管は、環境省である。
公共用水域
/こうきょうようすいいき
水質汚濁防止法によって排水規制などが適用される水域のことであり、具体的には河川や湖沼、港湾、沿岸海域などが同法にて規定されている。地下水、水田などは公共用水域には該当していない。
工業用水法
/こうぎょうようすいほう
特定の地域を対象に、工業用水の合理的な供給を確保し、地下水の保全を図り、地盤の沈下の進行を防止することを目的として、昭和31年に制定された法令(平成12年最終改正)。この法律の対象となる地域は同法第三条により「指定地域」として定義され、具体的には工業用水法施行令により10府県の17地域が指定されている。
地下水を採取し、工業目的に使用する場合には、都道府県知事の許可(許可基準項目:ストレーナ位置及び揚水機の吐出口断面積)が必要であり、無許可で工業目的に地下水を採取したり、都道府県知事の命令に違反したりした場合には、罰則が適用される。
この法令において「工業」とは、製造業、電気供給業、ガス供給業及び熱供給業をいう。
国際海上固体ばら積み貨物コード(IMSBCコード)
/こくさいかいじょうこたいばらづみかもつこーど(あいえむえすびーしーこーど)
International Maritime Solid Bulk Cargoes のこと。船舶による固体ばら積み貨物(穀物を除く。)の安全な輸送を推進することを目的として、貨物の危険性に関する情報の提供や評価方法、輸送方法等を定める規則である(なお、穀物の輸送については、ばら積み穀類の安全運送に関する国際規則(1991年の国際穀類規則)に定められている)。IMSBCコードでは、荷送人が船長に対し、貨物の性質に関する詳細な情報を提供することが義務づけられている。また、固体ばら積み貨物を海上輸送する際には、「種別A」(液状化するおそれのある物質)、「種別B」(化学的危険性を有する貨物)、または「種別C」(種別A、種別Bのいずれの危険性も有しない貨物)に分類することとされており、特定の貨物については、貨物の種別及びその他の関連情報がIMSBCコードの付録に掲載されている。
固体ばら積み貨物
/こたいばらづみかもつ
ばら積み輸送される固体の貨物。SOLAS条約附属書第VI章(貨物及び燃料油の運送)第1-1規則(定義)において、「液体又はガス以外の物質であって、粉状、細粒状又はそれらよりも大きな形状の物質の組合せから成り、通常は均一の構成物で、いかなる容器にも収納されることなく、船舶の貨物艙に直接積み込まれるものをいう」と定められている。
2013年1月1日発効のマルポール条約附属書X改正(MEPC決議MEPC.201(62))により、HMEに該当する物質を含む固体ばら積み貨物の荷卸し後に貨物艙に残る残留物については海洋投棄が原則禁止とされた。
事故時の措置
/じこじのそち
施設の故障や破損等の事故が発生した場合、その施設の設置者たる事業者が応急の措置として講ずべき事項などを定めた法律上の規定のこと。同様の規定は、水質汚濁防止法や大気汚染防止法、悪臭防止法、ダイオキシン類対策特別措置法、廃棄物処理法など数多くの法律に含まれている。
平成22年4月28日に成立、同年5月10日に公布された水質汚濁防止法の改正においては、事故時の措置の対象とする化学物質を「指定物質」として、また対象とする施設を「指定施設」として新たに追加するなど、事故時の措置を講ずべき物質と事業場の範囲の拡大が図られた。その「指定物質」の種類は、中央環境審議会からの答申(H23.2.18)に基づき、同年3月1日に水質汚濁防止法施行令にて定められた(ホルムアルデヒドやヒドラジン等の52物質を指定。その後、ヘキサメチレンテトラミンの追加等を経て、H30.4現在で56物質)。また、「指定施設」としては、特定施設のように具体的な施設種類を列挙する方法ではなく、「有害物質や指定物質の製造・貯蔵・使用・処理をする施設」などとして広範な施設が対象となるよう水質汚濁防止法で規定された。
指針値
/ししんち
公共用水域における「指針値」の場合は、水環境中の化学物質による人の健康または水生生物への影響の低減を図るための指針となる数値のことであり、要監視項目の多くに設定されている。環境基準とは異なり、有害性データの信頼性に制約がある場合も数値が設定される場合がある。なお、公共用水域に限らず、大気環境、室内空気等の様々な分野において指針値と呼ばれる数値が設定されている。
持続性浮遊物質
/じぞくせいふゆうぶっしつ
ワックスや動植物油等の、海洋中において長期的に浮遊し続ける性質を有する物質のこと。GESAMPハザードプロファイルの評価項目として、①「密度 ≤ 海水(20℃で1,025 kg/m3)」、②「蒸気圧 ≤ 0.3 kPa」、③「溶解度 ≤ 0.1% (液体の場合) または ≤ 10% (固体の場合)」、④「動粘度 > 10 cSt(20℃)」を満たす物質として定義されている。近年、北欧海域においてワックスや動植物油等による環境被害が確認されたことを受けて、IMOにおいてマルポール条約附属書Ⅱの規制強化に関する議論が行われ、同附属書の改正(2021年1月発効予定)により、北欧海域において持続性浮遊物質に関する予備洗浄の要件が強化されることとなった。
指定物質
/していぶっしつ
平成22年4月28日に成立、同年5月10日に公布された改正水質汚濁防止法において、「事故時の措置」の対象とする物質として新たに設けられた項目のこと。これまでは「事故時の措置」の対象とする物質としては「有害物質」と「油」に限定されていたが、事故原因の究明や再発防止などを目的に対象物質の拡大が図られた。
指定物質は、平成22年10月14日に環境大臣から諮問を受けた中央環境審議会が水環境部会に付議し、排水規制専門委員会等で検討を進め、平成23年2月18日に答申を行い、同年3月1日に施行令にて定められた。
具体的な指定物質は、要監視項目や水道水質基準、過去に事故事例(水質事故)が確認された物質などを中心に選定され、当初は硫酸や水酸化ナトリウム等の52物質が指定され、その後の見直しによって56物質となった(H30.4月現在)。
一方、大気の場合は大気汚染防止法 附則第九項により、「有害大気汚染物質のうち人の健康に係る被害を防止するためその排出又は飛散を早急に抑制しなければならないもので政令で定めるもの」が指定物質として定められている。
具体的には、発がん性等長期曝露による健康影響があることが明らかになっていること、発生源における製造、使用、排出等の状況に関する情報が比較的充実しており、対策を講ずべき発生源が概ね特定されていること等の理由によりベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの3物質が指定されている(H30.4月現在)。
重点調査項目
/じゅうてんちょうさこうもく
水質汚濁に係る要監視項目に準ずるものとして平成10年に選定された要調査項目は300項目と数が多いため、水質モニタリングによる存在状況の調査には限界があると考えられている。したがって、有害大気汚染物質で優先取組物質を選定して知見の集積を重点的に進めてきたことを参考として、今後は要調査項目に係る知見の集積も重点化を図ることが提唱された。
このように、要調査項目のうち重点的に知見の集積(特に水質モニタリング)を行う対象として選定すべき項目(物質)として「重点調査項目」という概念が考えられている。
常時監視
/じょうじかんし
水質汚濁や大気汚染、自動車騒音の状態を継続的に監視することで、水質汚濁防止法や大気汚染防止法で都道府県知事に義務が課せられている。
水質汚濁に係る常時監視の場合、水質汚濁防止法第16条に基づいて都道府県が毎年作成する測定計画に基づき、公共用水域と地下水について、それぞれ水質環境基準(健康項目・生活環境項目)を中心に水質測定が行われている。
水質環境基準は、ほぼ網羅的な水質調査が実施されており、全国で毎年4千程度の測定地点が対象となっているが、要監視項目は都道府県ごとに一部の項目に限って水質調査が実施され、測定地点は全国で数百ヶ所程度となっている。これらは基本的に月1回の頻度で実施されている。
大気汚染の常時監視は、 例えば二酸化窒素(NO2)では全国の 1,700あまりの測定局 ( うち、一般環境大気測定局が1,300局あまり、自動車排出ガス測定局が400局あまり)で1時間ごとの濃度が自動計測されている。
さらに、自動車騒音では、都道府県知事が原則5年で評価区間を一巡するローテーション方式による常時監視を行い公表することが騒音規制法第18条、第25条で規定されている。騒音の常時監視では、沿道の敷地境界における自動車騒音を実測するだけではなく、その結果に基づき道路に面する地域内の住居等における等価騒音レベルの予測も行う。平成24年の自動車騒音に係る常時監視は、6,645千戸の住居等を対象に実施され、国全体での環境基準の達成率は92.6%であった。
浄水処理対応困難物質
/じょうすいしょりたいおうこんなんぶっしつ
水道水質の管理のために定義されている物質のこと。事故等により水道の原水に流入した場合に「通常の浄水処理では対応が困難な物質」としてヘキサメチレンテトラミン等の14物質(群)が指定されている。これらの物質が浄水場で処理されることにより、ホルムアルデヒドやクロロホルム等が高い比率で副生成されることから、浄水処理対応困難物質を排出する可能性のある事業者に対して管理が促されている。
処理水
/しょりすい
廃棄物の最終処分場から発生する浸出水を公共用水域や下水道へ放流するために処理した水のこと。廃棄物の最終処分場は廃掃法の特定施設には該当していないが、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(基準省令)」により、一律排水基準と同じ排水基準が設定されている。
水域
/すいいき
公共用水域は河川や湖沼、沿岸海域などから構成されているが、そのうち、相互に接続していたり地理的に近いなどの理由から「一体とみなすことが可能な範囲」を水域として定義することがある。 河川の場合は、本川とその支川をグループ化して「〇〇川水系」と呼ばれることがあり、それらの水系の集水域を含む場合は「〇〇川流域」などと呼ばれる。このような河川の流域に加え、海域などの区画(例:〇〇湾)を加えたものが「水域」である。
水質汚濁防止法
/すいしつおだくぼうしほう
工場・事業場から公共用水域へ排出される排水に含まれる汚染物質の濃度の基準等を定め、公共用水域等の水質汚濁を防止し、国民の健康の保護などを目的とする法律。同法に基づく(全国共通の)一律排水基準の他、都道府県ごとに地域を指定して排水基準の上乗せをし、(一律基準より厳しい)排水規制を条例で定めることが可能となっている。その他、都道府県による水質の常時監視や、事故時の措置なども同法で規定されている。
水質環境基準
/すいしつかんきょうきじゅん
環境基本法に基づいて指定される環境基準のうち、水質汚濁に係る環境基準の略称。適用される範囲は公共用水域と地下水に分けられ、基準項目は健康項目と生活環境項目に分けられている。
この水質環境基準を遵守するための施策として、水質汚濁防止法に基づく排水規制などが講じられており、その排水規制の項目や許容限度は水質環境基準と連動する形で定められている。
水質調査
/すいしつちょうさ
水環境中での化学物質等の存在状況(濃度、検出状況)や水量を把握するための調査。環境基本法第16条に基づく水質環境基準項目や要監視項目の水質調査は、水質汚濁防止法に基づく常時監視の対象とされ、都道府県が継続的に水質調査を実施している。その具体的な方法は、局長通知等で示されており、原則として毎月1回の測定が必要となっている。その他、要調査項目でも国による水質調査が実施されている。
水質調査マニュアル
/すいしつちょうさまにゅある
水質調査を実施するための測定方法が示されたマニュアルのこと。要調査項目等存在状況調査を実施するための「要調査項目等調査マニュアル」が順次整備され、水質調査の対象となる項目ごとの分析方法や目標定量下限値等が定められている。
水生環境有害性
/すいせいかんきょうゆうがいせい
化学物質等に水生生物が曝露した場合に発現する毒性のこと。短期間の曝露を想定した急性水生生物毒性と、長期間の曝露を想定した慢性水生生物毒性に分けて評価される。魚類(メダカ等)、甲殻類(ミジンコやアミ類等)、藻類等を用い、OECD(経済協力開発機構)が定めるテストガイドライン等に基づき試験を行う場合が多い。
水道水質基準
/すいどうすいしつきじゅん
水道を経由した飲料水の水質を保証するため、水道法第4条に基づく水質基準として規定され、具体的な基準値が「水質基準に関する省令」によって定められているもの。水環境の基準として定められる水質環境基準とは異なるものであり、基準の決め方も同じとは限らないものの、結果的には両者が同じ基準値として設定されている場合が多い。
生活環境項目
/せいかつかんきょうこうもく
水質汚濁に係る環境基準のうちのグループの一つ(もう一つのグループが健康項目)で、例えば河川の場合は水素イオン濃度(pH)や生物化学的酸素要求量(BOD)、浮遊物質量(SS)などの基準値が水域類型ごとに定められている。健康項目と異なり、生活環境項目は水質汚濁の程度を総合的に評価するための指標として設定されている。
この生活環境項目については、水生生物の保全という観点から平成15年に全亜鉛が新たな項目として追加され、平成24年以降にノニルフェノールと「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩」も追加された。また、環境基準(生活環境項目)に準ずるものとして、クロロホルム等の3項目が要監視項目として指定されている。
船体付着生物
/せんたいふちゃくせいぶつ
船舶に付着するフジツボや藻類等の目視可能な多細胞生物に加えて、バクテリアやケイ藻類又はそれらが生成するスライム状の物質のこと。船舶の長距離航行に伴い、船体付着生物が自然に生息する水域とは異なる水域へ移入することがあり、実際にオーストラリア水域等において船体付着による外来種の割合が多いことが過去の調査で確認されている。近年では、生態系や人健康等に対して有害な水生生物や病原菌が船体へ付着し、それが異なる水域へ移入することが国際的に懸念されており、IMOでは2011年に船体付着生物の抑制及び管理に関するガイドラインが採択されている。
船舶バラスト水規制管理条約
/せんぱくばらすとすいきせいかんりじょうやく
2004年に採択された「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」の通称。細菌、微生物も含めた海洋生物が、バラスト水を介して本来の生息地ではない地域に移動することにより生じる環境への危険等を防止することを目的とした条約(2017年9月8日発効)。
バラスト水中の生物を一定数以下の基準になるよう処理することが現存船も含めた全ての国際間航行をする船舶に義務づけられる。
地下水
/ちかすい
地下に存在する水のうち、ある帯水層に満たされた状態で存在している水のこと。井戸による揚水によって人間活動に多く利用されているが、河川等の公共用水域とは異なった独自の問題があるため、その保全のため独自の(公共用水域から切り離した)法規制等が存在している。例えば、「地下水の水質汚濁に係る環境基準」は、地下水に特有の問題があることを考慮して、公共用水域を対象とした「水質汚濁に係る環境基準」と異なる項目が設定されている場合がある(例:塩化ビニルモノマー)。
地下水保全計画
/ちかすいほぜんけいかく
地下水は古くから飲料水・農業用水・工業用水等に利用されてきたが、戦後の高度成長に伴う過度の揚水による地下水位の低下や工場排水などによる地下水汚染等、地下水を取り巻く環境が悪化してきた。そこで、地方自治体では、地域の特性を考慮した上で、かん養対策・節水対策・水質保全対策・条例等による取水規制などを柱とした地下水保全計画を策定し、地下水の保全に取り組んでいる。
近年では、地下水の保全のみにとどまらず、降雨・表層水(河川水等)の流れ・かん養・蒸発散・利用といった水循環を考慮した保全計画が多くの地方自治体で策定されている。
パッシブサンプリング
/ぱっしぶさんぷりんぐ
河川や大気などのモニタリングにおけるサンプリング方法の一種。水質調査の場合、水中に専用の吸着剤を一定期間浸漬し、吸着剤に物質を吸着・濃縮させることでサンプルを得る方法などがある。回収した吸着剤への吸着量を測定することで、一定期間における平均濃度を推定することが可能である。グラブサンプリングのように瞬間値としての濃度を捉えることはできないが、環境中の存在量の変化が大きい物質(農薬など)や、低濃度の物質の存在状況を把握するために有効な手法であると考えられる。
バラスト水
/ばらすとすい
船舶では貨物を積載した状態を考慮した設計がなされるため、空荷の場合には、「重り」の役割となる海水(=バラスト水)を船内のバラストタンクに積み込むことで安定性を確保する。一般的には、荷を下ろした地域の海水を詰め込み、到着地で荷積みの際にバラスト水を海洋中へ排出する。
国際海事機構(IMO)によると、世界全体では1年間に30〜50億トンのバラスト水が船舶によって国際間移送されているといわれているが、生物の混入したバラスト水が遠く離れた海域で排出されると、世界中に生物が拡散して生態系が破壊されるなど、深刻な被害が発生するおそれがある。したがって、バラスト水の排出について何らかの管理が必要とされている。
バラスト水管理条約
/ばらすとすいかんりじょうやく
2004年に採択された「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」の通称。細菌、微生物も含めた海洋生物が、バラスト水を介して本来の生息地ではない地域に移動することにより生じる環境への危険等を防止することを目的とした条約(2017年9月8日発効)。
バラスト水中の生物を一定数以下の基準になるよう処理することが現存船も含めた全ての国際間航行をする船舶に義務づけられる。
なお、条約の名称は、海防法では「船舶バラスト水規制管理条約」と表記されている。
バラスト水交換
/ばらすとすいこうかん
船舶のバラスト水を介した生物移入を防止するための手法の一つであり、船舶バラスト水規制管理条約附属書B-4規則に規定されている。外洋においてバラスト水を交換することによって、侵略性の生物種が他国の沿岸域に排出される可能性を低減させる。バラスト水交換は、BWMSを用いるバラスト水管理を補完する手法として位置づけられており、BWMSを搭載するまでの経過措置等として用いられている。バラスト水交換の基準は、同附属書D-1規則において、バラスト水量の95%以上を交換するなど定められている。
バラスト水処理システム(有害水バラスト処理設備)
/ばらすとすいしょりしすてむ(ゆうがいみずばらすとしょりせつび)
船舶バラスト水規制管理条約では、バラスト水を海洋等に排出する際の生存生物量等の基準を定めており、当該基準を遵守するためにバラスト水の殺菌処理等を行うため船舶に搭載する装置のこと。BWMS(Ballast Water Management System)とも呼ばれる。
装置の性能に関する審査・承認は条約のガイドラインG8に基づいて各国の主管庁が行うこととされているが、活性物質(→別掲)を使用する装置については、環境への影響に関するリスク評価等を行いIMOの承認を受けることが必要となっている。
ばら積み輸送
/ばらづみゆそう
包装されない状態で大量に輸送すること。船舶ではタンカー、鉄道ではホッパー車、自動車ではトレーラー等で輸送される。
船舶の場合、船体のバルク(貨物室)に貨物を積載するが、貨物が液体の場合はオイルタンカーやケミカルタンカーなど、輸送する貨物の性状等に応じた船舶で輸送される。
PPR
/ぴーぴーあーる
⇒「汚染防止・対応小委員会」を参照
ビル用水法
/びるようすいほう
→ 「建築物用地下水の採取の規制に関する法律」を参照
放流水
/ほうりゅうすい
マルポール条約 (MARPOL条約)
/まるぽーるじょうやく
「1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書(International Convention for the Prevention of Pollution from Ships, 1973, as modified by the Protocol of 1978 relating thereto)」の通称。「1954年の油による海水の汚濁の防止に関する国際条約:International Convention for the Prevention of Pollution of the Sea by Oil (OILPOL), 1954」を引き継いだ条約であり、MARINE POLLUTIONの略称。英名では、「MARPOL 73/78」と略称される。
船舶の運行や事故による海洋汚染防止を目的とした条約であり、船舶で輸送する油や化学製品の輸送に係る内容、船舶からの汚水、廃棄物、排ガスに関する内容が附属書I〜附属書VIで規定されている。
我が国は1983年に加入し、当該条約を担保する国内法として「海洋汚染防止法」がある。
マルポール条約附属書Ⅰ
/まるぽーるじょうやくふぞくしょいち
マルポール条約の附属書のうち、油による海洋環境汚染を規制するためのものであり、「油による汚染の規制のための規則」のこと。附属書Ⅰにおいて「油」は、「原油、重油、スラッジ、廃油、精製油その他のあらゆる形態の石油(附属書Ⅱの適用を受ける石油化学物質を除く。)をいい、付録Ⅰに掲げる物質を含むが、これらに限られない。」と定められており、附属書Ⅱの対象(有害液体物質)が附属書Ⅰの対象から除外されているところであるが、近年、IMOにおいて、附属書ⅠとⅡの対象物質の区別が明確でないことが指摘されており、その区別を明確にするための指針作成等の議論が行われている。
マルポール条約附属書II
/まるぽーるじょうやくふぞくしょに
マルポール条約(MARPOL条約)の附属書のうち、ばら積み輸送される液体物質による海洋環境汚染を規制するためのものであり、「ばら積みの有害液体物質による汚染の規制のための規則」のこと。
化学物質の有害性に基づく分類(汚染分類)及びその判定基準を定め、有害液体物質及びそれを含むタンク洗浄水等の海洋への排出を原則禁止するとともに、貨物タンクの洗浄方法や排出基準等を定めている。
なお、この附属書は、原則として、ばら積みの有害液体物質を運送することが認められる全ての船舶に対して適用される。
マルポール条約附属書X
/まるぽーるじょうやくふぞくしょご
マルポール条約(MARPOL条約)の附属書のうち、船舶からの廃物による海洋環境汚染を規制するためのものであり、「船舶からの廃物による汚染の防止のための規則」のこと。
食物くずや貨物の残留物等の、船舶の通常の運航中に生じる廃棄物(廃物)について、特定の場合を除いて海洋への排出を禁止するとともに、排出要件や排出記録の保持等について規定している。
なお、この附属書は、原則として、全ての船舶に対して適用される。
慢性水生生物毒性
/まんせいすいせいせいぶつどくせい
化学物質等が水生生物に及ぼす有害性のうち、長期間の曝露を想定したもののこと。有害性の程度は、一般には魚類、甲殻類、藻類等の試験によって評価され、NOEC(最大無影響濃度)等の指標の値として示される。
未査定液体物質
/みさていえきたいぶっしつ
海防法では、液体物質を船舶でばら積み輸送する場合、その物性や有害性等を評価し、有害液体物質等に指定し輸送することとされているが、まだ有害液体物質等に指定されていない液体物質を未査定液体物質と呼ぶ。
未査定液体物質を船舶でばら積み輸送する場合、国際間輸送する場合はIMO等、国内輸送の場合は国等がその物性や有害性を評価し、有害液体物質等に指定した上で輸送することとなっている。
有害液体物質
/ゆうがいえきたいぶっしつ
船舶で輸送する化学物質について、マルポール条約附属書IIに基づき「海洋に排出された場合における海洋資源又は人の健康」の評価が行われ、「有害である」と判断された物質のこと。評価対象となった化学物質は、その有害性に応じて、X類物質(重大な危険を及ぼす物質)・Y類物質(危険を及ぼす物質)・Z類物質(軽微な危険を及ぼす物質)という3種類の有害液体物質と「有害でない物質」に区分され、当該区分に応じたタンク洗浄方法や海洋への排出方法等の規定に基づき排出等の処理が行われる。
なお、マルポール条約附属書IIは批准した国の内航及び外航船舶に適用され、我が国においても海防法において同様の内容が規定されている。現在、X類物質が81物質、Y類物質が464物質、Z類物質が160物質指定されており(2018年4月 現在)、新たな化学物質の評価が行われる度に、適宜追加されている。
有害水バラスト処理設備
/ゆうがいみずばらすとしょりせつび
⇒「バラスト水処理システム」を参照
有害物質 (※水濁法における有害物質について)
/ゆうがいぶっしつ
水質汚濁防止法第2条第2項第1号に規定するカドミウム等の物質のことで、人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるため、排水規制や「事故時の措置」の対象となっている。具体的な物質名は、水質汚濁防止法施行令の第2条で列記されており、「カドミウム及びその化合物」や「シアン化合物」などが規定されている。
これらは、水質環境基準(健康項目)の達成を担保するため、それらの基準項目に概ね対応する物質として指定されてきた。そのため、平成21年11月30日に1,4-ジオキサンが公共用水域の水質環境基準(健康項目)に追加されたことなどを受け、水質汚濁防止法施行令も改正され(H24.5.25施行)、1,4-ジオキサン、トランス-1,2-ジクロロエチレン、塩化ビニルモノマーの3物質が新たに有害物質として指定され、全部で28物質となった(トランス-1,2-ジクロロエチレンは既存のシス-1,2-ジクロロエチレンと統合して"1,2-ジクロロエチレン"として「1物質」とカウント)。
要監視項目
/ようかんしこうもく
水質汚濁に係る環境基準(健康項目)に準ずるものとして、公共用水域や地下水における存在状況の継続的な監視が必要なものとして指定されたもの(環境省の水・大気環境局長通知にて指定)。公共用水域の場合、現在はアンチモンやクロロホルムなど26項目が指定されている(地下水の場合は、塩化ビニルモノマー等の2物質が環境基準に移行したため24項目のみ)。平成16年3月には、それまで要調査項目であった塩化ビニルモノマー等の5項目が要監視項目へと「昇格」し、そのうち1,4-ジオキサンは、さらに平成21年11月に環境基準(健康項目)に「昇格」するなど、要監視項目は知見の集積に応じて適宜見直しがされている。また要監視項目の大半の項目(クロルニトロフェン(CNP)とニッケル以外)で「水質測定結果を評価する基準の濃度」として指針値が定められている。
また、人の健康とは別に、平成15年には水生生物の保全の観点からも要監視項目が別途設定され、2018年4月現在までに、クロロホルム、フェノール等の6項目が指定されている。
要調査項目
/ようちょうさこうもく
水質汚濁に係る要監視項目に準ずるものとして、水環境リスクは高くない(又は不明である)が、人の健康や生態系への悪影響の未然防止の観点から、知見の集積が必要な物質(又は物質群;以下同様)として、平成10年に300項目が指定された。その後、科学的知見の蓄積などの動向を踏まえ、平成26年に新たに208項目を指定した。これらの要調査項目は、環境基準項目や要監視項目のように都道府県による常時監視の対象とはなっていないが、水環境中での存在状況について国によるモニタリング調査の対象とされている。
>>> 要調査項目リスト(報道発表資料)
予備洗浄
/よびせんじょう
ばら積み液体貨物を荷卸しした後に、荷卸しをした港を離れる前に当該貨物が積載されていた貨物タンクを要件に従い洗浄する作業のこと。マルポール条約附属書Ⅱ第13規則において、X類の有害液体物質等、環境リスクが高い物質を対象として実施することが定められており、具体的な方法は、同附属書付録6(予備洗浄方法)に詳細に定められている。なお、海防法では、第九条の二第3項の「事前処理の方法」の一部として定められている。
陸上受入施設
/りくじょううけいれしせつ
船舶から発生する廃物等を受け入れるために港や係留施設に設置される施設のこと。マルポール条約附属書Xでは、締約国が、「廃物を受け入れるための適当な施設であって航海に不当な遅延を生じさせることなくこれを利用する船舶のニーズに応じたもの」を港及び係留施設に設けることを確保することが規定されている。受入施設の用途は条約ごとに異なり、船舶バラスト水規制管理条約では、バラストタンクの洗浄等によって生じる沈殿物を受け入れるための施設を確保することが締約国に課されている。
流出率
/りゅうしゅつりつ
環境中に排出された農薬等の数量のうち、河川中に流出する割合のこと。農薬の場合には、田や畑に散布する際に飛散して直接河川に排出される場合や、降雨時に雨水と共に河川に排出される場合等が想定される。
河川に流出した後、さらに河川中での動態も考慮して、目的とする地点まで到達する割合を表す「流達率(りゅうたつりつ)」とは区別して扱われる。