災害廃棄物
/さいがいはいきぶつ
火災、水害、地震、津波等の災害により発生した廃棄物のこと。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」の中で「災害廃棄物」という定義は存在していないが、短期間で大量の廃棄物が発生するため、平常時に発生する廃棄物と区別して「災害廃棄物」として扱われることがある。このような災害廃棄物は「事業活動に伴って生じた廃棄物」ではないため一般廃棄物に該当し、市町村が処理責任を負うのが基本である。しかし、東日本大震災では約2000万トンもの災害廃棄物(津波堆積物は除く)が発生したため、特別措置法を制定して国の責務などを定めた。
在庫量
/ざいこりょう
ある事業者が外部から調達し、未使用のまま保管されている(又は製造機器等の中に残っている)数量のこと。国レベルでは、製造・輸入業者から国内に出荷され、消費されないまま市場に残っている数量のこと。出荷量や使用量、排出量などは「1年間あたりの数量」として表されるが、この在庫量は棚卸しを行った時点や「平成○年度末」といった特定の時点における数量である。
蛍光灯等に使用されている水銀や冷凍庫の冷媒等として使用されるオゾン層破壊物質などは、新たな出荷が停止した後も長い間市中に存在し、その長期間の使用や廃棄に伴って環境中に排出する可能性があるため、在庫量の把握が重要となっている。
最終処分場
/さいしゅうしょぶんじょう
廃棄物(一般廃棄物と産業廃棄物)の安定化などを目的として埋立する施設のことであり、すべて都道府県知事の設置許可を要する。埋立処分場などと表現されることもある。
そのうち、産業廃棄物の最終処分場は、埋立可能な廃棄物の種類に応じて「安定型処分場」、「遮断型処分場」、「管理型処分場」に分類される。埋立が終了したあとも、それぞれの廃止基準に適合するまで継続して管理することが必要とされている。
産業廃棄物
/さんぎょうはいきぶつ
廃棄物のうち、主として事業活動に伴って排出され、汚泥や廃油、廃プラスチック類など特定の類型に該当するもの(一部は特定の業種から排出されるものに限られる。)のこと。我が国では1年間に約4億トンの産業廃棄物が排出され、国全体で排出される廃棄物の約9割を占めている。
産業廃棄物処理施設
/さんぎょうはいきぶつしょりしせつ
廃棄物処理法第15条に基づいて産業廃棄物処理業者などが都道府県知事の許可を得て設置する施設のことであり、「廃プラスチック類の焼却施設」や「木くず又はがれき類の破砕施設」などが該当する。汚泥の脱水施設など、その処理能力等によって規模要件が定められたものが多いため、その規模に満たない施設は「産業廃棄物処理施設」には該当せず、設置許可を得る必要がない。これら産業廃棄物処理施設のうち、「汚泥の脱水施設」は産業廃棄物の排出事業者が自ら設置して自己処理を行う場合が多い。
酸素濃度12%換算
/さんそのうどじゅーにぱーせんとかんざん
ダイオキシン類対策特別措置法施行規則第二条第一項に基づき、排ガスを測定する際に酸素濃度12%として換算すること。過度な空気の流入がある場合、希釈によって排ガス中のダイオキシン類などの濃度が低下してしまうため、酸素濃度を定めて換算することによって、排ガス濃度を絶対的に評価することを目的として使われる。
GISシステム
/じーあいえすしすてむ
⇒「地理情報システム」を参照
GHS分類
/じーえいちえすぶんるい
化学品の有害危険性に関するUN-GHSに基づく分類。環境に係る有害性については、水生環境有害性(急性毒性・慢性毒性)等に関する分類が行われ、人健康に係る有害性については、急性毒性、皮膚腐食性/刺激性、呼吸器/皮膚感作性、発がん性、生殖細胞変異原性、生殖毒性等に関する分類が行われる。各危険有害性について、危険有害性の強さに基づく複数の区分(例:水生環境有害性の急性毒性については区分1〜3)が設けられており、化学物質管理のための指標の一つとして一般的に用いられている。
事故時の措置
/じこじのそち
施設の故障や破損等の事故が発生した場合、その施設の設置者たる事業者が応急の措置として講ずべき事項などを定めた法律上の規定のこと。同様の規定は、水質汚濁防止法や大気汚染防止法、悪臭防止法、ダイオキシン類対策特別措置法、廃棄物処理法など数多くの法律に含まれている。
平成22年4月28日に成立、同年5月10日に公布された水質汚濁防止法の改正においては、事故時の措置の対象とする化学物質を「指定物質」として、また対象とする施設を「指定施設」として新たに追加するなど、事故時の措置を講ずべき物質と事業場の範囲の拡大が図られた。その「指定物質」の種類は、中央環境審議会からの答申(H23.2.18)に基づき、同年3月1日に水質汚濁防止法施行令にて定められた(ホルムアルデヒドやヒドラジン等の52物質を指定。その後、ヘキサメチレンテトラミンの追加等を経て、H30.4現在で56物質)。また、「指定施設」としては、特定施設のように具体的な施設種類を列挙する方法ではなく、「有害物質や指定物質の製造・貯蔵・使用・処理をする施設」などとして広範な施設が対象となるよう水質汚濁防止法で規定された。
自己中間処理
/じこちゅうかんしょり
産業廃棄物の中間処理のうち、その排出事業者が中間処理を外部委託せず、排出事業者が自ら中間処理を行うこと。汚泥の脱水は特に自己中間処理の割合が大きくなっている。
自主規制
/じしゅきせい
国の法令などに基づく規制とは異なり、関連業界などが自主的に守るべき条件(基準値等)を定めて、それを遵守していくこと。排出ガスの濃度に係る自主規制や、化学製品に含まれる物質の使用制限などがある。 物質の使用制限の場合、使用可能な物質だけをリストアップしたポジティブリストの作成などが行われている。
自主行動計画
/じしゅこうどうけいかく
大気汚染防止法においては、VOC排出抑制対策として、規制と自主的取組を組み合わせて行うことと定めている。このうち自主的取組については、業界団体ごとの自主行動計画として、排出抑制の目標の設定や排出量の把握が行われるとともに、経済産業省への報告が行われている。
VOC排出抑制対策に限らず、業界団体等の組織が環境保全等の社会的な意義のある行為について自主的に計画を定め、その取組について情報公開を行うことを「自主行動計画」と呼んでいる。VOC以外の取組の対象としては、環境全般、温暖化対策、廃棄物対策等がある。
自主測定
/じしゅそくてい
法令によって排ガスや排水の濃度測定が義務付けられている場合があるのに対し、その義務が課せられていない施設や測定項目を自主的に測定すること。法令で測定が義務づけられた「法定測定」に対比して使われる。
また、事業者に濃度測定のみが義務づけられ、その結果の行政機関への届出が義務づけられていない(但し、報告徴収の対象になり得る)場合も、届出義務がないという意味で「自主測定」と呼ばれる場合がある。
但し、いずれの場合においても、法令上は「自主測定」との表現は使われていない。
自主的取組
/じしゅてきとりくみ
規制によらない事業者の自主的な取組を促す方法として考えられたものであり、大気汚染の分野においては、有害大気汚染物質の対策で取り入れられ、有効な成果が得られた。事業者の取組を業界団体等が取りまとめて年次報告を国に提出し、それに基づいて取組状況を評価する仕組みとなっている。
大気汚染防止法に基づくVOC対策においては、従来的な手法である排出規制と自主的取組を組み合わせた仕組みが取り入れられ、その仕組みはベストミックスと呼ばれている。
指針値
/ししんち
公共用水域における「指針値」の場合は、水環境中の化学物質による人の健康または水生生物への影響の低減を図るための指針となる数値のことであり、要監視項目の多くに設定されている。環境基準とは異なり、有害性データの信頼性に制約がある場合も数値が設定される場合がある。なお、公共用水域に限らず、大気環境、室内空気等の様々な分野において指針値と呼ばれる数値が設定されている。
JIS
/じす
日本工業規格のことであり、Japanese Industrial Standardsの略称。工業標準化法に基づいて設定される規格である。素材ごとの摩耗強さに関する試験方法について詳細に定められている規格などもあり、これらは関係する団体が原案作成団体となっている。
施設種類
/しせつしゅるい
PRTRの届出外排出量の推計では、推計対象となる廃棄物処理施設を廃掃法等の定義に従って分類し、それらを「施設種類」と呼ぶこととした。産業廃棄物処理施設の場合、具体的には廃掃法第十五条で規定された「廃プラスチック類処理施設」や、同法施行令第七条で規定された「汚泥の脱水施設」などが該当している。施設種類によっては、処理能力の要件を定めているものがあり、 一定規模以上の施設だけが廃棄物処理施設に該当し、 設置許可が必要となる。
支川
/しせん
他の河川に合流する河川のこと。「支流」と呼ぶ場合も同義である、本川に合流する河川を一次支川、一次支川に合流する河川を二次支川、二次支川に合流する河川を三次支川などと呼ぶ場合もある。
例えば、利根川水系の本川は利根川であり、その一次支川として鬼怒川や渡良瀬川等がある。
また、川が海に出る前に本流から枝分かれする場合があり(例:利根川から枝分かれした江戸川)、これは派川(はせん)と呼ばれ、支川とは区別される。
持続性浮遊物質
/じぞくせいふゆうぶっしつ
ワックスや動植物油等の、海洋中において長期的に浮遊し続ける性質を有する物質のこと。GESAMPハザードプロファイルの評価項目として、①「密度 ≤ 海水(20℃で1,025 kg/m3)」、②「蒸気圧 ≤ 0.3 kPa」、③「溶解度 ≤ 0.1% (液体の場合) または ≤ 10% (固体の場合)」、④「動粘度 > 10 cSt(20℃)」を満たす物質として定義されている。近年、北欧海域においてワックスや動植物油等による環境被害が確認されたことを受けて、IMOにおいてマルポール条約附属書Ⅱの規制強化に関する議論が行われ、同附属書の改正(2021年1月発効予定)により、北欧海域において持続性浮遊物質に関する予備洗浄の要件が強化されることとなった。
指定物質
/していぶっしつ
平成22年4月28日に成立、同年5月10日に公布された改正水質汚濁防止法において、「事故時の措置」の対象とする物質として新たに設けられた項目のこと。これまでは「事故時の措置」の対象とする物質としては「有害物質」と「油」に限定されていたが、事故原因の究明や再発防止などを目的に対象物質の拡大が図られた。
指定物質は、平成22年10月14日に環境大臣から諮問を受けた中央環境審議会が水環境部会に付議し、排水規制専門委員会等で検討を進め、平成23年2月18日に答申を行い、同年3月1日に施行令にて定められた。
具体的な指定物質は、要監視項目や水道水質基準、過去に事故事例(水質事故)が確認された物質などを中心に選定され、当初は硫酸や水酸化ナトリウム等の52物質が指定され、その後の見直しによって56物質となった(H30.4月現在)。
一方、大気の場合は大気汚染防止法 附則第九項により、「有害大気汚染物質のうち人の健康に係る被害を防止するためその排出又は飛散を早急に抑制しなければならないもので政令で定めるもの」が指定物質として定められている。
具体的には、発がん性等長期曝露による健康影響があることが明らかになっていること、発生源における製造、使用、排出等の状況に関する情報が比較的充実しており、対策を講ずべき発生源が概ね特定されていること等の理由によりベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの3物質が指定されている(H30.4月現在)。
自動車起終点調査(OD調査)
/じどうしゃきしゅうてんちょうさ(おーでぃーちょうさ)
道路交通の実態を調査する道路交通センサスのうち、自動車による移動(トリップ)の起点と終点の関係を把握する調査のこと。起点(Origin)と終点(Destination)を把握ため、「OD調査」とも呼ばれる。OD調査は路側OD調査とオーナーインタビューOD調査から構成され、後者の場合、自動車の所有者に対するアンケートにより、所有する自動車の車種、特定の調査日における自動車の出発地、目的地、移動目的、移動距離、一日の移動状況等を調査する。
自動車騒音
/じどうしゃそうおん
自動車(原動機付き自転車を含む。)の運行に伴い発生する騒音のこと(騒音規制法第二条第4項による)。自動車交通騒音又は道路交通騒音と表現されることもある。騒音の構成要素としては、エンジンや排気等から発せられる騒音(パワーユニット騒音)とタイヤと地面の摩擦により発せされる騒音(タイヤ騒音)が支配的である。加速走行騒音規制の成果等により、自動車騒音は近年緩やかな改善傾向にあるが、一部の一般国道を中心とした幹線道路においては環境基準を超過している。これらの状況をさらに改善すべく、欧州の規制的枠組みに準じたタイヤ単体騒音への規制が現在検討されいる。
自動車騒音常時監視マニュアル
/じどうしゃそうおん
じょうじかんしまにゅある
地方自治体が実施する自動車騒音の常時監視について、参考となる考え方や具体的な手法について示されたマニュアルのこと。平成23年9月に環境省水・大気環境局自動車環境対策課により作成され、地方自治法第245条の4の規定に基づく技術的助言として都道府県及び市の担当部局へ通知された。
マニュアルは、関連する用語の定義、自動車常時監視に係る実施計画の策定、面的評価の実施、結果の環境省への報告といった内容から成る。
参考 : 自動車騒音常時監視マニュアルについて
自動車排出ガス測定局
/じどうしゃはいしゅつがすそくていきょく
大気汚染防止法に基づいて都道府県等が設置する大気汚染常時監視測定局のうち、自動車排出ガスによる大気の汚染状況を把握するために設置された測定局のこと。その設置にあたっては、人が常時生活し、活動している場所で、自動車排出ガスの影響が最も強く現れる道路端又はこれにできるだけ近接した場所にすることが望ましいとされている。
車籍地
/しゃせきち
道路運送車両法により定められている自動車の使用の本拠の位置。自動車を使用する拠点としている住所であり、自動車検査証に「使用の本拠の位置」として記載され、ナンバープレートにその地名が表示される。
JATOP
/じゃとっぷ
Japan Auto-Oil Program の略称であり、経済産業省による支援の下に一般財団法人石油エネルギー技術センターが実施したプログラムの名称のこと。「CO2削減」と「燃料多様化」、「排出ガス低減」の3つの課題を同時に解決することを目的として、最適な自動車・燃料技術の開発などが実施されてきた(平成27年度からはJATOPⅢとして実施されている)。
重回帰分析
/じゅうかいきぶんせき
多変量解析の一つであり、2つ以上の説明変数を使って目的変数の値を説明する解析方法。説明変数が1つの場合は単回帰分析という。
解析においては、最小二乗法等により求めた重回帰式が統計的に意味を持つかどうか、各説明変数から目的変数を説明できるかどうか等を検定する必要がある。
重金属
/じゅうきんぞく
比重がおおむね4〜5以上の金属の総称であり、英語では ”heavy metal” と呼ばれ、アルミニウムやマグネシウム等の軽金属(light metal)に対比して使われる。水銀や鉛、カドミウム、マンガンなどが該当しており、有害な物質が多い。PM2.5の成分の一つにも位置付けられる。
重点調査項目
/じゅうてんちょうさこうもく
水質汚濁に係る要監視項目に準ずるものとして平成10年に選定された要調査項目は300項目と数が多いため、水質モニタリングによる存在状況の調査には限界があると考えられている。したがって、有害大気汚染物質で優先取組物質を選定して知見の集積を重点的に進めてきたことを参考として、今後は要調査項目に係る知見の集積も重点化を図ることが提唱された。
このように、要調査項目のうち重点的に知見の集積(特に水質モニタリング)を行う対象として選定すべき項目(物質)として「重点調査項目」という概念が考えられている。
需要割合
/じゅようわりあい
ある物質や製品の国内出荷量を合計だけで示すのではなく、その使われる分野ごとの出荷量の割合を併せて示すとき、その出荷量の割合のこと。
化学物質の環境中への排出量を推計するとき、その需要割合を使って分野別の排出量として推計することができれば、その排出に関係する主体(業種等)が特定され、環境改善を促すべき対象が明らかになるといったメリットが考えられる。
焼却施設
/しょうきゃくしせつ
主に可燃ごみ等の廃棄物を、減容量及び無害化を目的として焼却処理するための施設のこと。我が国の中間処理において最も一般的な処理施設であり、特に一般廃棄物は焼却処理される廃棄物が圧倒的に大きな割合を占めている。
焼却灰
/しょうきゃくばい
一般廃棄物処理施設や産業廃棄物処理施設等の焼却炉で廃棄物を焼却処理した際に燃え残った燃え殻のことであり、焼却炉の底などで回収され、主灰とも呼ばれる。焼却炉の排ガスから回収されるばいじんは「飛灰」と呼ばれ、焼却灰とは区別される。
蒸気回収装置(ベーパーリターン)
/じょうきかいしゅうそうち(べーぱーりたーん)
タンクローリーから給油所の地下タンクへの燃料補充時(受入時)、及び自動車の燃料タンクへの燃料給油時(給油時)に発生する蒸気(ベーパー)を回収する装置のこと。受入時の蒸気回収装置は発生した蒸気をタンクローリーに回収する装置が一般的であり、一部の自治体では条例により設置を義務付けている。 また、給油時の蒸気回収装置には、発生した蒸気をそのまま地下タンクに回収する装置(気体回収装置)と、蒸気を液化して回収する装置(液化回収装置)がある。
常時監視
/じょうじかんし
水質汚濁や大気汚染、自動車騒音の状態を継続的に監視することで、水質汚濁防止法や大気汚染防止法で都道府県知事に義務が課せられている。
水質汚濁に係る常時監視の場合、水質汚濁防止法第16条に基づいて都道府県が毎年作成する測定計画に基づき、公共用水域と地下水について、それぞれ水質環境基準(健康項目・生活環境項目)を中心に水質測定が行われている。
水質環境基準は、ほぼ網羅的な水質調査が実施されており、全国で毎年4千程度の測定地点が対象となっているが、要監視項目は都道府県ごとに一部の項目に限って水質調査が実施され、測定地点は全国で数百ヶ所程度となっている。これらは基本的に月1回の頻度で実施されている。
大気汚染の常時監視は、 例えば二酸化窒素(NO2)では全国の 1,700あまりの測定局 ( うち、一般環境大気測定局が1,300局あまり、自動車排出ガス測定局が400局あまり)で1時間ごとの濃度が自動計測されている。
さらに、自動車騒音では、都道府県知事が原則5年で評価区間を一巡するローテーション方式による常時監視を行い公表することが騒音規制法第18条、第25条で規定されている。騒音の常時監視では、沿道の敷地境界における自動車騒音を実測するだけではなく、その結果に基づき道路に面する地域内の住居等における等価騒音レベルの予測も行う。平成24年の自動車騒音に係る常時監視は、6,645千戸の住居等を対象に実施され、国全体での環境基準の達成率は92.6%であった。
浄水処理対応困難物質
/じょうすいしょりたいおうこんなんぶっしつ
水道水質の管理のために定義されている物質のこと。事故等により水道の原水に流入した場合に「通常の浄水処理では対応が困難な物質」としてヘキサメチレンテトラミン等の14物質(群)が指定されている。これらの物質が浄水場で処理されることにより、ホルムアルデヒドやクロロホルム等が高い比率で副生成されることから、浄水処理対応困難物質を排出する可能性のある事業者に対して管理が促されている。
常用発電機
/じょうようはつでんき
平常時に使用される発電機の総称。常用専用のものと防災用の用途を兼ねた常用・非常用兼用のものがある。なお、常用発電機のなかには、停電時に自立的に稼働を行う機能(ブラックアウトスタート機能)を備えた発電機もあり、それらの発電機は常用専用であっても停電時に稼働することができる。東日本大震災を契機として、ブラックアウトスタート付きの発電機や常用・非常用兼用の発電機の設置台数は増加している状況にある。
省令区分
/しょうれいくぶん
化学物質排出把握管理促進法に基づくPRTRの届出外排出量は、「対象業種」、「非対象業種」、「家庭」、「移動体」の4区分に集計して公表する決まりとなっている(「第一種指定化学物質の排出量等の届出事項の集計の方法等を定める省令」第5条の第1号から第4号)。この4区分のことを慣例で省令区分と呼んでいる。
触媒
/しょくばい
特定の化学反応を加速させるために使われ、それ自身は化学反応の前後で変化していない物質のこと。化学工業等での使用のほか、環境対策でも幅広く使われており、例えばガソリン自動車には、排出ガス中の有害物質(炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx))を酸化・還元反応によって同時に除去するため、プラチナ、パラジウム、ロジウムを使用した三元触媒が搭載されているのが一般的である。
処理水
/しょりすい
廃棄物の最終処分場から発生する浸出水を公共用水域や下水道へ放流するために処理した水のこと。廃棄物の最終処分場は廃掃法の特定施設には該当していないが、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(基準省令)」により、一律排水基準と同じ排水基準が設定されている。
新規排出源
/しんきはいしゅつげん
PRTRの届出外排出量の推計対象となる農薬や塗料などを「排出源」と呼んでいるが、そのうち、現時点までに推計に必要な情報が得られておらず、今後の推計・公表の可能性を検討すべき排出源(又は新たに推計対象に追加した排出源)を「新規排出源」と呼ぶ。
浸出水 (浸出液)
/しんしゅつすい (しんしゅつえき)
最終処分場に降った雨が廃棄物に接触し、その廃棄物に含まれる有害な物質を含んで最終処分場から発生する汚水のこと。「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令」では、一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場(管理型最終処分場のみ)について、浸出水(浸出液)の汚濁を除去するための処理設備の設置及び維持管理の基準が定められている。
信頼区間
/しんらいくかん
無作為に抽出したサンプルから母集団の特性を推定する場合、本来の母集団の特性から誤差が生じるため、推定値に一定の幅を持たせる方法を区間推定といい、その幅の広さを信頼区間という。また、信頼区間の幅を決める基準を信頼度といい、統計上95%もしくは99%信頼度が用いられることが多い。例えば母集団の平均年齢を無作為抽出した人たちの年齢から推定する際に「平均年齢の信頼区間は、信頼度95%で34〜42歳である」といった場合、100回の調査のうち95回はこの幅の中に母平均が含まれるという意味。
信頼性
/しんらいせい
入手したデータや推計された結果等について、それがどの程度実態を反映したものであるかを表す概念のこと。「95%信頼区間」のような指標によって定量的に表すことが可能な場合もあるが、「情報源の信頼性」のように定性的な形で表される場合もある。
水域
/すいいき
公共用水域は河川や湖沼、沿岸海域などから構成されているが、そのうち、相互に接続していたり地理的に近いなどの理由から「一体とみなすことが可能な範囲」を水域として定義することがある。 河川の場合は、本川とその支川をグループ化して「〇〇川水系」と呼ばれることがあり、それらの水系の集水域を含む場合は「〇〇川流域」などと呼ばれる。このような河川の流域に加え、海域などの区画(例:〇〇湾)を加えたものが「水域」である。
水銀
/すいぎん
原子番号80の元素であり元素記号はHg。常温常圧で液体である唯一の金属である。排出源には火山活動等の自然起源の他、石炭の燃焼等の人為起源がある。有機水銀のひとつであるメチル水銀は特に強い毒性を持ち、水俣病の原因物質として有名である。
日本を含めた先進国では水銀の使用量が減少しているが、途上国では依然として利用されているため、2001年から国連環境計画(UNEP)が地球規模の水銀汚染についての対策を検討し、2013年10月には水銀のライフサイクル全体にわたって規制を行う 「水銀に関する水俣条約」 が採択された。
水銀に関する水俣条約
/すいぎんにかんするみなまたじょうやく
水銀および水銀化合物の人為的な排出が人の健康および環境に与えるリスクを低減するための包括的な規制を定める条約(2017年8月16日発効)。我が国は水俣病の経験国として、この条約案の取りまとめで主導的な役割を果たし、条約名に"Minamata"が付けられることとなった。2013年10月に、熊本県熊本市および水俣市で開催された国連環境計画(UNEP)主催の外交会議で採択・署名が行われた。
水銀の供給源および貿易、水銀添加製品、水銀を使用する製造工程、人力小規模金採掘(ASGM)、大気への排出、水・土壌への放出、保管、廃棄物の管理など水銀のライフサイクル全体にわたって規制を行う内容となっている。
水銀による環境の汚染の防止に関する法律
/すいぎんによるかんきょうおせんのぼうしにかんするほうりつ
2013年10月に採択された「水銀に関する水俣条約」を担保するための措置などを講じることを目的とし、2015年6月19日に公布された法律。国内において条約が効力を生じる日から施行される(一部は別途政令で定める日から施行)。また、同様の目的から「大気汚染防止法の一部を改正する法律」など既存の法令の改正による措置も講じられている。
「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」では、水銀の掘採、特定の水銀使用製品の製造、特定の製造工程における水銀などの使用、および水銀などを使用する方法による金の採取を禁止するとともに、水銀などの貯蔵および水銀を含有する再生資源の管理方法等について定めている。
水質汚濁防止法
/すいしつおだくぼうしほう
工場・事業場から公共用水域へ排出される排水に含まれる汚染物質の濃度の基準等を定め、公共用水域等の水質汚濁を防止し、国民の健康の保護などを目的とする法律。同法に基づく(全国共通の)一律排水基準の他、都道府県ごとに地域を指定して排水基準の上乗せをし、(一律基準より厳しい)排水規制を条例で定めることが可能となっている。その他、都道府県による水質の常時監視や、事故時の措置なども同法で規定されている。
水質環境基準
/すいしつかんきょうきじゅん
環境基本法に基づいて指定される環境基準のうち、水質汚濁に係る環境基準の略称。適用される範囲は公共用水域と地下水に分けられ、基準項目は健康項目と生活環境項目に分けられている。
この水質環境基準を遵守するための施策として、水質汚濁防止法に基づく排水規制などが講じられており、その排水規制の項目や許容限度は水質環境基準と連動する形で定められている。
水質調査
/すいしつちょうさ
水環境中での化学物質等の存在状況(濃度、検出状況)や水量を把握するための調査。環境基本法第16条に基づく水質環境基準項目や要監視項目の水質調査は、水質汚濁防止法に基づく常時監視の対象とされ、都道府県が継続的に水質調査を実施している。その具体的な方法は、局長通知等で示されており、原則として毎月1回の測定が必要となっている。その他、要調査項目でも国による水質調査が実施されている。
水質調査マニュアル
/すいしつちょうさまにゅある
水質調査を実施するための測定方法が示されたマニュアルのこと。要調査項目等存在状況調査を実施するための「要調査項目等調査マニュアル」が順次整備され、水質調査の対象となる項目ごとの分析方法や目標定量下限値等が定められている。
水生環境有害性
/すいせいかんきょうゆうがいせい
化学物質等に水生生物が曝露した場合に発現する毒性のこと。短期間の曝露を想定した急性水生生物毒性と、長期間の曝露を想定した慢性水生生物毒性に分けて評価される。魚類(メダカ等)、甲殻類(ミジンコやアミ類等)、藻類等を用い、OECD(経済協力開発機構)が定めるテストガイドライン等に基づき試験を行う場合が多い。
水生生物
/すいせいせいぶつ
水中や水辺に生息する生物のこと。公共用水域では、人への健康影響と水生生物への影響のそれぞれの観点から管理体系が構築されている。環境リスク評価の際には、魚、ミジンコ等の無脊椎動物、藻類が代表的な種として評価対象とされることが一般的である。
水道水質基準
/すいどうすいしつきじゅん
水道を経由した飲料水の水質を保証するため、水道法第4条に基づく水質基準として規定され、具体的な基準値が「水質基準に関する省令」によって定められているもの。水環境の基準として定められる水質環境基準とは異なるものであり、基準の決め方も同じとは限らないものの、結果的には両者が同じ基準値として設定されている場合が多い。
スクリーニング
/すくりーにんぐ
条件に合致するものを最終的に選ぶ前の段階で、簡単な条件設定によって候補の適否を判定して振り分けること。厳密な判定に多大な時間を要するとき、明らかに合致しないものだけを効率的に除外することを目的として行われるのが一般的である。
すそ切り以下
/すそきりいか
法令の規定が一定規模以上の事業者や施設などに限って課せられる場合があり、その規模に満たない小規模な事業者や施設などを称して「すそ切り以下」と呼ぶ。
例えば、我が国の化学物質排出把握管理促進法に基づくPRTR制度では、化学物質の排出量・移動量の届出義務を「(1)常用雇用者数21人以上の事業者」、「(2)1物質以上の年間取扱量が1トン以上の事業所」といった条件を満たすところに課しているため、これらの条件をすべて満たす事業者(及び事業所)以外がすべて「すそ切り以下」に該当する。
また、廃棄物処理法に基づく産業廃棄物処理施設のように、施設種類によって規模要件のあるもの(例:汚泥の脱水施設)と規模要件のないもの(例:産業廃棄物の最終処分場)が混在している場合には、一部の施設種類のみ「すそ切り以下」が存在することになる。
生活環境項目
/せいかつかんきょうこうもく
水質汚濁に係る環境基準のうちのグループの一つ(もう一つのグループが健康項目)で、例えば河川の場合は水素イオン濃度(pH)や生物化学的酸素要求量(BOD)、浮遊物質量(SS)などの基準値が水域類型ごとに定められている。健康項目と異なり、生活環境項目は水質汚濁の程度を総合的に評価するための指標として設定されている。
この生活環境項目については、水生生物の保全という観点から平成15年に全亜鉛が新たな項目として追加され、平成24年以降にノニルフェノールと「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩」も追加された。また、環境基準(生活環境項目)に準ずるものとして、クロロホルム等の3項目が要監視項目として指定されている。
生殖細胞変異原性
/せいしょくさいぼうへんいげんせい
変異原性の中でも、特に生殖細胞に関するものであり、次世代に受け継がれる可能性のある突然変異(細胞内の遺伝物質の量または構造の恒久的変化)をもたらす性質のこと。
生殖毒性
/せいしょくどくせい
生殖機能や受精能力、または子どもの正常な発生に対して有害な影響を及ぼす性質のこと。化学物質に曝露したマウスやラットによる繁殖試験等を行い、親の体重変化や交尾能、生存胎児の数や発育等への影響を評価する。例えば、カドミウム及びその化合物はラット・マウスを用いた試験により胎児の死亡や成長阻害等が観察され、LOAEL 6.9μg/kg/day と評価されている(IARC 1993)。
整数風速
/せいすうふうそく
JIS C1400-11「風力発電システム-第11部:騒音測定方法」にて定義されている風車の音響パワーレベルを評価する基準風速のこと。風速6、7、8、9、10m/sの整数値で規定されている。一般に風車のから発生する空力音はハブ高の風速と共に大きくなるため、整数風速ごとの評価を行う必要がある。
精度管理
/せいどかんり
測定データなどを取得する場合、測定機関によるデータ処理の方法などによってデータの信頼性が損なわれる可能性があるため、それを適切に管理し、データの精度を維持するための方法のこと。
生物蓄積性(蓄積性)
/せいぶつちくせきせい(ちくせきせい)
化学物質が生物の体内に取り込まれ、そこに蓄積する程度のこと。単に蓄積性ともいう。生物濃縮が「水との接触によって水中の化学物質が生体内に取り込まれて蓄積すること」であるのに対し、生物蓄積は「経路によらず(食物の摂取による取り込みを含め)生体内に化学物質が取り込まれて蓄積すること」であり、両者は区別されている。例えばPOPs条約の規制対象となる物質は難分解性や高蓄積性等の特徴を有する物質とされている。
複数の曝露経路からの摂取が想定される条件下で、生物の体内に蓄積する程度を表す指標として、生物蓄積係数(BAF;Bioaccumulation Factor)が使われるが、この生物蓄積性を判定するための試験は一般に濃縮度試験が使われており、例えば生物濃縮係数(BCF;Bioconcentration Factor)の値によって判定される。
生物濃縮性
/せいぶつのうしゅくせい
水中で化学物質に接触し、 生物の体内に取り込まれたり、 生物に吸着したりする程度のこと。「生物蓄積性」と同じ意味で使われることもあるが、「生物濃縮性」は通常は水中での室内実験や定常状態で取り込まれ、体内での変換や排せつを経た最終結果を意味するのに対し、「生物蓄積性」は考えられる全ての曝露経路(空気、水、堆積物/土壌、および食物)を含めた概念であり、「生物濃縮性」より広い意味を持っている。さらに、「生物拡大」は食物連鎖による化学物質の蓄積および移動と定義されている。
指標となる生物濃縮係数(BCF)は、生物体内と、定常状態における周囲の媒体(水中等)における化学物質の濃度比(重量ベース)で定義される。
生物濃縮係数(BCF)
=生物体内における化学物質濃度(mg/kg)
/定常状態における周囲の媒体(水中等)における化学物質の濃度(mg/kg)
生分解
/せいぶんかい
化学反応によって複数の分子量の小さな化学物質に分かれることを分解と呼ぶが、そのうち、微生物の働きによって水や二酸化炭素などの比較的分子量の小さな物質に変換されること。
有害な化学物質の場合、一般に生分解が遅いほど環境中に残留して悪影響が生じやすい。例えば、合成洗剤に含まれる界面活性剤として使われていたABS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)は生分解が極めて遅いため、より速く生分解が進むLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)に代替された。
下水処理施設における主要な下水処理工程は、活性汚泥による生分解を促進し、数時間程度の水処理で浄化させるのが一般的である。
世界保健機関(WHO)
/せかいほけんきかん(だぶりゅーえいちおー)
保健医療分野に係る国際連合の専門機関の1つ。本部はスイスのジュネーブにあり、1948年4月7日に設立された。設立を記念し、毎年4月7日は世界保健デーとして定められている。「全ての人々が可能な限り最高の健康水準に達すること」を目的とし、広範な活動を行っている。WHOは、World Health Organizationの略称。
石油系混合溶剤
/せきゆけいこんごうようざい
燃料用ガソリンと同様、石油を分留して得られる溶剤であり、塗料、印刷インキ、工業用洗浄剤等に幅広く用いられる。分留によって主成分が決まり、その主成分によってミネラルスピリットやゴム揮発油、クリーニングソルベントなど、一般的な分類名が与えられているものがある。主成分について脂肪族(側鎖の有無)/芳香族等の区別や中心的な炭素数などが明らかになっているケースもあるが、成分の詳細は明らかにされていないことが多く、一般にオキシダント生成能も不明である。
前駆物質
/ぜんくぶっしつ
大気等の自然界において、ある化学物質Aが化学物質Bの化学反応によって生成される場合に、BはAの前駆物質と呼ばれる。例えば、光化学スモッグの原因である光化学オキシダントの主成分は対流圏オゾンであるが、このオゾンは大気中での光化学反応により、揮発性有機化合物と窒素酸化物から生成される。つまり、揮発性有機化合物と窒素酸化物は対流圏オゾンの前駆物質と言える。
船体付着生物
/せんたいふちゃくせいぶつ
船舶に付着するフジツボや藻類等の目視可能な多細胞生物に加えて、バクテリアやケイ藻類又はそれらが生成するスライム状の物質のこと。船舶の長距離航行に伴い、船体付着生物が自然に生息する水域とは異なる水域へ移入することがあり、実際にオーストラリア水域等において船体付着による外来種の割合が多いことが過去の調査で確認されている。近年では、生態系や人健康等に対して有害な水生生物や病原菌が船体へ付着し、それが異なる水域へ移入することが国際的に懸念されており、IMOでは2011年に船体付着生物の抑制及び管理に関するガイドラインが採択されている。
船舶自動識別装置(AIS)
/せんぱくじどうしきべつそうち(えーあいえす)
船舶の識別符号、位置、速度、針路等を自動で識別する装置のことであり、英語の "Automatic Identification System" の頭文字を使って「AIS」とも呼ばれる。2002年のSOLAS 条約 (海上人命安全法)改正に伴い全世界レベルで導入された。国内においては、「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」によって担保されており、以下のいずれかに該当する船舶への搭載が義務化されている。
・ 300総トン数以上の国際航海する船舶(外航船)
・ 500総トン数以上の非国際航海船舶(内航船、漁船等)
・ 全ての旅客船
船舶バラスト水規制管理条約
/せんぱくばらすとすいきせいかんりじょうやく
2004年に採択された「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」の通称。細菌、微生物も含めた海洋生物が、バラスト水を介して本来の生息地ではない地域に移動することにより生じる環境への危険等を防止することを目的とした条約(2017年9月8日発効)。
バラスト水中の生物を一定数以下の基準になるよう処理することが現存船も含めた全ての国際間航行をする船舶に義務づけられる。
専門委員会
/せんもんいいんかい
中央環境審議会議事運営規則第九条に基づき中央環境審議会の各部会(総合政策部会、水環境部会、・・・等)の下に設置される専門の事項を調査するための組織。例えば、中央環境審議会水環境部会の下には、水質環境基準人健康項目に係る審議を行う「環境基準健康項目専門委員会」や水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定に関する審議を行う「水生生物保全環境基準類型指定専門委員会」などがある。
なお、専門委員会の委員長は、同規則により部会長が指名することとなっている。
専門家判断
/せんもんかはんだん
客観的な判断基準ではなく、専門家の経験などによる主観的な判断のこと。エキスパートジャッジメントと呼ばれることもある。客観的な判断基準に基づく機械的な判断では重要なポイントが見落とされてしまうことも考えられ、また、単純化した判定フローに適さない総合的な評価が必要と考えられる場合もあるため、このような専門家の経験や知見に基づく判断が有効なことがある。
騒音規制法
/そうおんきせいほう
騒音規制に関する法律であり、特定の工場・事業場における事業活動及び特定の建設工事に伴って発生する騒音を規制し、自動車騒音に関する許容限度を定めている。
都道府県知事等による管内規制地域の指定や特定工場等や特定建設作業に関する届出制度、自動車騒音の許容限度を超えた場合の市町村長の対応、自動車騒音の常時監視事務等に係る事項が定められている。
総排出量
/そうはいしゅつりょう
PRTRの「すそ切り以下排出量」の推計で定義したもので、排出源ごとの全国における対象業種全体の排出量のこと。すそ切り以下排出量は総排出量を基に、従業員規模や年間取扱量に基づく「すそ切り以下の割合」を考慮して推計される。
属性
/ぞくせい
有害大気モニタリングに関する地点選定ガイドラインにて定義した用語。
有害大気汚染物質モニタリング調査結果では、従来、一般環境や固定発生源周辺といった地域分類が測定地点ごとに定められていたが、同ガイドラインではこれらを地点別・物質別に設定するという新たな考えを取り入れたため、従来の「地域分類」ではなく「属性」という用語を使用した。
その結果、ある測定地点の属性が「ベンゼンにとっては固定発生源周辺で、トリクロロエチレンにとっては一般環境」などと物質ごとに区別されることとなった。
測定地点
/そくていちてん
「大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準」で使用されているベンゼンやトリクロロエチレンなどの有害大気汚染物質を測定するために選定する地点のこと。
同処理基準に「測定地点」の定義はないものの、窒素酸化物や浮遊粒子状物質等の濃度の連続測定を行う「測定局」と明確に区別し使用されている。
また、同処理基準では、有害大気汚染物質の製造・使用状況等を勘案した測定地点の地域分類として、「一般環境」、「沿道」、「固定発生源周辺」が定義されている。さらに、測定地点の選定にあたり前記の測定局を活用することも可能とされている。
ソルベントナフサ
/そるべんとなふさ
塗料用の溶剤として使用されている芳香族を主成分とする石油系混合溶剤であり、VOC排出インベントリにおける呼称である。