HOME > 事業内容 > 平成27年度水質環境基準健康項目等基礎調査業務
最終更新日:平成27年7月13日
環境省
水質環境基準健康項目、要監視項目、要調査項目からなる水質管理体系における合理的な管理手法について検討を行った。個別の項目としては、ニッケル、亜硝酸性窒素について、過年度の調査結果及び追加的な情報収集結果を踏まえ、位置づけや評価値の見直しに係る整理を行い、亜硝酸性窒素については専門委員会用の基礎資料を作成した。
また、農薬の位置づけ等に関する作業部会を設け、水環境を経由した農薬の管理方法について重点的に検討を行った。検討は、総論的に検討を行う「トップダウン式」の方法と、個別の項目について検討を行う「ボトムアップ式」の方法を併用して行った。
さらに、要調査項目について、これまでの情報収集状況に応じた今後の情報収集方針や評価の枠組みを提案し、検討を行った。
過去の審議会答申等に基づく項目(物質)ごとの評価手順や判断基準に基づき構築した判定フローを用いて、現行の全ての水質環境基準健康項目及び要監視項目について位置づけの再評価を試行し、現行の位置づけとの比較を行った。その結果、農薬を中心としたいくつかの物質について、再評価をした場合には現行と位置づけが変わる可能性が示唆された。 |
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過年度業務における調査結果を踏まえ、水質環境基準健康項目に設定されている「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」のうち亜硝酸性窒素を独立した項目として位置づける方向で、専門委員会用の基礎資料を取りまとめた。
ニッケルが環境中で高濃度となる要因に関する情報収集を行い、過年度業務における調査結果と併せて位置づけや評価値を見直す可能性について検討した。結果として、現段階では評価値の設定や位置づけの見直しに関して留意すべき事項が多く、拙速な判断となることを避けるため、ニッケルの指針値設定等は保留とすることが適当と判断した。
農薬の位置づけ等に関する作業部会を設け、水環境を経由した農薬の管理方法について検討を行った。検討は、農薬に関する「一般的な特徴」を踏まえて農薬の扱い方を総論的に検討する「トップダウン式」の方法と、個別の項目(例:シマジン)ごとの位置づけ等を個別に検討する「ボトムアップ式」の方法を併用して検討した。結果として、トップダウン式の検討により、農薬は農薬以外の物質と区別して扱うことが望ましいといった一定の総論的な結論が得られるとともに、ボトムアップ式の検討により、個別の項目ごとにモニタリング手法を差別化する必要性が確認された。
要調査項目に係るこれまでの管理方法に関する問題点を整理するとともに、今後の情報収集の方法や、その情報を活用した評価の枠組みを提案し、検討を行った。
【表 今後の情報取集等に係る方針の整理イメージ】
分類 | 知見の収集状況 | 該当する 項目数 |
今後の情報収集等に係る方針 | |
有害性 データ |
水質調査 データ |
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類型?@ | ○ | ○ | 26 (アクリルアミド等) |
収集済みのデータに基づく簡易評価を実施する |
類型?A | ○ | 6 (アセトン等) |
優先的に水質調査の対象とする | |
類型?B | ○ | 39 (塩化メチル等) |
有害性に係る情報収集の範囲を広げる | |
類型?C | 13 (メチルアミン等) |
水質調査マニュアルへの掲載を待ち、水質調査と合わせて有害性に係る情報を収集する |
* 図1〜図3、表の出典:平成27年度水質環境基準健康項目等基礎調査業務報告書 (平成28年3月、株式会社環境計画研究所)