HOME > 事業内容 > 平成27年度揮発性有機化合物(VOC)排出インベントリ作成等に関する調査業務
最終更新日:平成28年7月13日
環境省
本業務では、大気汚染防止法に基づく揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制対策の進捗状況の把握を目的として、VOC含有製品の出荷量やVOC含有率、排出状況等を文献調査やアンケート調査等により把握して、それぞれの製品使用等に伴うVOC排出量を推計し、発生源品目別・業種別・物質別・都道府県別等の整理を行った。
平成27年度業務においては、平成26年度に国内の固定発生源から排出されたVOCの排出量を推計すると共に、これまでの検討において優先課題とされた「成分不明のVOC排出量」及び「燃料(蒸発ガス)」に係る課題を中心に調査・検討を行った。
平成27年度業務では、平成26年度に国内の固定発生源から排出されたVOCの排出量を推計した。その結果、全国のVOC排出量は69万t/年であり、平成12年度の排出量140万t/年に対する削減率は約50%であった。
「成分不明のVOC排出量」に係る調査・検討結果の概要を以下に示す。
論点 | 調査・検討結果の概要 |
石油系混合溶剤の成分分析による平均組成の更新 |
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PM2.5及び光化学オキシダント生成能 | |
VOC排出インベントリにおけるVOC成分の分類の見直し |
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注:ドライクリーニング溶剤として使用される石油系混合溶剤
大分類 | 小分類 | 物質 コード |
物質名 | ||
4 | アルコール類 | 41 | 1価アルコール | 41-01-1 | メチルアルコール |
41-02-1 | エチルアルコール | ||||
41-03-1 | ノルマル-プロピルアルコール | ||||
41-03-2 | イソプロピルアルコール | ||||
・・・ | ・・・ | ||||
42 | 2価アルコール(グリコール) | 42-02-1 | エチレングリコール | ||
49 | その他の アルコール類 |
49-00-0 | その他(アルコール系) | ||
5 | その他の含酸素化合物 | 51 | エーテル類 | 51-02-1 | エチレンオキシド |
51-06-1 | ETBE(エチルターシャリ-ブチルエーテル) | ||||
52 | グリコールエーテル類 | 52-04-1 | エチレングリコールモノエチルエーテル | ||
52-04-2 | プロピレングリコールモノメチルエーテル | ||||
52-05-1 | プロピレングリコールジメチルエーテル | ||||
52-05-2 | 酢酸2-メトキシエチル | ||||
・・・ | ・・・ | ||||
53 | フェノール類 | 53-06-1 | フェノール | ||
53-07-1 | クレゾール | ||||
54 | アルデヒド類 | 54-01-1 | ホルムアルデヒド | ||
59 | その他の含酸素化合物 | 59-00-0 | その他(エーテル系/グリコールエーテル系) |
燃料(蒸発ガス)は塗料に次ぐ2番目に大きい発生源品目であるが、排出量の推計方法には、ガソリンリード蒸気圧(RVP)の季節変化を考慮できていない、蒸気回収装置の設置状況を正確に把握できていない等の課題が多く残されていた。そのため、平成27年度業務では、関連する業界団体等に協力を依頼し、推計精度向上のための検討を行った。
検討の結果、平成26年度の排出量については、USEPAにより開発された給油ロス排出量の予測式であるMOVES2010を用いた推計方法に見直すこととなった。MOVES2010はリード蒸気圧の変化を考慮することが可能であるが、給油燃料温度の設定方法や自動車燃料タンク内の燃料と給油される燃料の温度差の設定方法、各項の係数の妥当性等の課題が多く残されている状況であったため、過年度への遡及修正については、次年度以降、追加的な検討結果を踏まえて適宜実施することとなった。