HOME > 事業内容 > 平成29年度水質環境基準健康項目等基礎調査業務
最終更新日:平成30年6月5日
環境省
水質環境基準健康項目等の位置づけの見直し等が効率的に実施できるよう、管理の対象となる区分ごとに過年度からの課題を踏まえた検討を行った。
農薬に関しては、曝露可能性に関して他の化学物質と異なる特徴があることを踏まえ、農薬に特化した管理の枠組みやモニタリングの実施の必要性など、農薬としての合理的な管理手法のあり方について検討を行った。
また、要調査項目については、効率的かつ計画的な水質調査を実施するために、一斉分析法をスクリーニング手法として導入することが望ましいとの方向性が示されたことから、一斉分析法の導入に向けた検討を行った。
さらに、要監視項目については、水質調査に係る複数の問題点が把握されたことから、水質調査のあり方に関する見直しの方向性について検討を行った。
過年度業務に引き続き、水環境を経由した農薬の管理方法について検討を行った。農薬の管理の枠組みについては「農薬類」として要監視項目に位置づけ、優先的に管理を行うべき物質リストを別途示す方向性が明確になった(図 1)ことから、リスト作成の具体的な方法を検討し、試行的なリストを作成した。また、農薬の常時監視におけるサンプリング方法について、現在採用されている「グラブサンプリング」を単独で用いた管理には限界があると考えられるため、引き続き「パッシブサンプリング」をスクリーニング手法として採用することを視野に入れ、実用化に向けた検証を実測調査により行った(図 2)。その結果、パッシブサンプリングが有効である可能性が確認された。
【図1 要監視項目リストと「農薬に該当する項目リスト」の関係】
【図2 測定方法別の濃度測定結果のイメージ】
要調査項目の効率的かつ計画的な水質調査の実施には一斉分析法の導入が有効であるとの専門家の助言を受け、平成29年度より一斉分析法の導入に向けた検討を本格的に開始した。まずは、導入までに必要な作業項目やスケジュールを取りまとめるとともに(図3)、要調査項目に該当する個別物質について一斉分析法の適用可能性を整理した(図4)。
【図 4 一斉分析手法の適用可能性に係る整理の方法】
過年度に実施したアンケート調査の結果等を踏まえて要監視項目の水質測定に係る問題点を整理した。また、その問題点の解決に向けて、要監視項目の水質測定のあり方について見直しの方向性を提案した。
【図5 要監視項目の見直しのポイントと問題点の対応関係(イメージ)】
* 図3〜5:平成29年度水質環境基準健康項目等基礎調査業務報告書(平成30年3月、株式会社環境計画研究所)に基づく