HOME > 事業内容 > 平成29年度揮発性有機化合物(VOC)排出インベントリ作成等に関する調査業務
最終更新日:平成30年6月5日
環境省
本業務では、大気汚染防止法に基づく揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制対策の進捗状況の把握を目的として、VOC含有製品の出荷量やVOC含有率、排出状況等を文献調査やアンケート調査等により把握するとともに、製品使用等に伴い排出されるVOCを推計し、発生源品目別・業種別・物質別・都道府県別等の整理を行った。
平成29年度業務では、平成28年度に国内の主な固定発生源から排出されたVOCの排出量を推計すると共に、推計方法の精度向上に係る検討や石油系混合溶剤の成分分析に基づく成分不明のVOC排出量の細分化等を実施した。
平成29年度業務では、平成28年度に国内の主な固定発生源から排出されたVOCの排出量を推計した。その結果、全国のVOC排出量は67万t/年であり、平成12年度の排出量141万t/年に対する削減率は約52%であった。
現在、VOC検討会のインベントリ報告書は、PDF形式で環境省のホームページに公開されているが、VOC検討会では、インベントリの利便性向上のため、エクセル形式のデータの提供について検討すべきとされた。
このため、インベントリ検討WG(VOC検討会の下に設置)では、電子データ(エクセルデータ)の提供の可否、提供するデータの内容及び具体的な提供方法、利用上の注意事項等を検討した。
VOC排出インベントリでは、推計精度や利便性を向上させるため、これまで各発生源品目の推計方法等の見直し等を実施しており、今後も推計精度向上のための検討を行うこととしている。 平成29年度のインベントリ検討WGでは、今後のインベントリの推計において優先的な見直しが必要と考えられる事項について対応方針等を議論した。
石油系混合溶剤等の個別の成分として把握できないVOC排出量を細分化するため、過年度に引き続き、石油系混合溶剤の成分分析を実施した。今年度の調査では、国内に流通するミネラルスピリット(工業ガソリン4号)、ソルベントナフサ(コールタールナフサ)、印刷インキ用高沸点溶剤、ゴム揮発油(工業ガソリン2号)を対象として成分分析を実施し、平均組成を算出した。
今年度に新たに成分分析を行ったことで、平成18年に東京都が実施した石油系混合溶剤の成分分析結果(※)と合せて、調査時期が異なる2つの平均組成をインベントリにおける成分不明のVOC排出量の細分化に反映することが可能となったため、過年度分の排出量についても遡及して修正した。
※ 石油系混合溶剤の成分組成調査、東京都環境科学研究所年報2007。