HOME > 事業内容 > マルポール条約附属書Vに基づく貨物残留物の海洋環境有害性判定に関する実態調査
最終更新日:平成29年6月26日
国土交通省
2016年10月に国際海事機関(IMO)の第70回海洋環境保護委員会(MEPC)で採択されたマルポール条約附属書?Xの改正(海洋環境に有害な(Harmful to the Marine Environment;以下「HME」という。)物質)に関する荷送人による宣言の義務化等)に係る規制実施に向けた対応を検討するため、国内の海運事業者が輸入・輸送する固体ばら積み貨物のうち、大規模・主要荷主以外の荷主団体に関する貨物について、関連する団体等へのヒアリング調査や文献調査により、輸送実態や規制改正への対応に係る課題を整理した。また、ヒアリング調査等の結果を踏まえ、関連事業者による使用を想定したHME物質の判定に関する簡易マニュアルの素案を作成した。
HME物質の規制改正に関する主な審議が行われたIMOのMEPC及び貨物運送小委員会(CCC)について、HME物質に関する審議動向を整理した。具体的には、第62回MEPC会合(2011年7月11日〜15日開催)から第70回MEPC会合(2016年10月24日〜28日)までの間にMEPC及びCCCで行われたHME物質に関する審議について、主なテーマ(下記①〜④)ごとに審議概要を整理した。
① 関連規則の改正
② HME物質の分類・宣言の実施
③ HME物質に該当する可能性がある貨物リストの作成
④ 陸上受入施設の不足への対応
HME物質に該当する可能性がある固体ばら積み貨物(過年度の調査において対象とされた貨物は除く。)として砂利、産業廃棄物、鉄スクラップ等、セメントを特定し、関連する荷主団体等に対してヒアリング調査を行い、関連する貨物の輸送実態を把握するとともに、HME物質に関する新たな規制への対応やHME物質の判定に係る懸念事項・課題を整理した。
前述のヒアリング調査において、「UN-GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)」に基づいて貨物がHME物質に該当するかどうかの判断を事業者が行うのは困難であるため、荷送人等がHME物質の判定を行うための簡易マニュアルのようなものがあると望ましいとの意見があったことを踏まえ、事業者による使用を想定したHME物質の判定に関する簡易マニュアルの素案を作成した。簡易マニュアル(素案)は、化学物質の有害性の判定等に係る専門的な知見を有していない事業者にも判定できるよう簡易な内容にすることとし、特にGHS分類に係る判断については、既存のSDSに基づいて可能な限り機械的に判断できる手順として整理した。