HOME > 事業内容 > マルポール条約附属書Ⅴに基づく石灰石の有害性判定に関する調査業務
最終更新日:平成30年6月5日
民間団体等
マルポール条約附属書Ⅴの改正(2016年10月採択)により、船舶で輸送される固体ばら積み貨物の荷送人に対して、貨物が「海洋環境に有害である(Harmful to the Marine Environment;以下「HME」という。)か否かを判定し宣言することが義務化されたことを受けて、石灰石がHMEに該当するか否かについて、既存の文献やIMOにおける関連する貨物の分類結果等に基づき判定を行った。
本件は貨物の輸出入に係る問題であり、国際的な評価との整合性(説明可能性)が重要であると考えられたため、IMOにおける関連する既存の評価結果に基づき判定を行うことを基本とした。
具体的には、国際海上固体ばら積み貨物コード(IMSBCコード)における固体貨物の分類(種別B Class 9(その他の危険物)、MHB(TX)(毒性固体)等)に関する評価基準や評価結果、マルポール条約附属書Ⅱに関連するGESAMP-EHSグループによる化学物質の有害性に係る評価基準や評価結果(GESAMPハザードプロファイル)を確認し、HMEか否かの判定に利用可能であると考えられる情報を整理した。
判定の根拠とする情報の網羅性を担保する観点から、マルポール条約附属書Ⅴ付録1に規定されるHMEか否かの判定に係る基準(下表参照)に関し、政府向けGHS分類ガイダンスに記載される情報源を確認し、有害性情報を収集・整理した上で、各有害性の基準について判定を行った。
【HME判定基準】
有害性の項目 | HMEに該当する GHS区分 |
|
① | 水生環境有害性(急性毒性) | 1 |
② | 水生環境有害性(慢性毒性) | 1又は2 |
③ | 発がん性※ | 1A又は1B |
④ | 生殖細胞変異原性※ | 1A又は1B |
⑤ | 生殖毒性※ | 1A又は1B |
⑥ | 特定標的臓器毒性(反復暴露)※ | 1 |
⑦ | 合成高分子(プラスチック) | − |
※急速に分解せず、高い生物蓄積性を有するものであって、経口又は経皮暴露により有害性が生じる(又は暴露経路が特定されていない)ものに限る。