HOME > 事業内容 > 平成27年度PRTR届出外排出量推計等検討業務 【2. 非点源排出量の推計方法に係る課題の検討】
最終更新日:平成28年7月13日
環境省
PRTRの非点源排出量の推計方法に係る課題として、「一般廃棄物焼却施設に係る推計手法の構築」、「自動車に係る推計方法の見直し」、「PRTRデータの経年分析」等について検討を行った。
新規排出源としての排出量推計を想定している一般廃棄物焼却施設について、過年度に自治体等からアンケート形式で収集した排ガス濃度等のデータを集計・解析し、定量下限値未満のデータの扱いや、濃度のばらつきの大きさ等に留意して、物質ごとに信頼性・代表性のある排出係数(mg/t-waste)を設定するための手法を検討した。
検討に当たっては、統計的な手法を使って平均排出係数の取り得る値の範囲(信頼区間)を評価するなどし、PRTRとして公表する場合の分かりやすさとの兼ね合いで適切な平均排出係数の設定方法を判断した。
自動車(燃料蒸発ガス)に係る新たな知見(例:透過と破過による蒸発ガス成分の違い)を踏まえて推計方法の精緻化を図るための手法を検討すると共に、道路交通センサス(自動車起終点調査;OD調査)のデータを活用して「車籍地」と「走行場所」の関係を定量的に推計し、都道府県別走行量を適切に補正するためのデータ作成を行った。
平成15年度から25年度までの届出外排出量のデータを活用し、排出源ごとの排出量の経年変化の特徴を整理した。その経年変化の特徴は排出源ごとに大きく異なることを示した上で、排出削減に対する事業者のインセンティブの有無(その程度)に着目し、インセンティブの有無が排出量の経年変化に与える影響を推定すると共に、PRTRとして届出外排出量を推計・公表する意義に関する考察を加えた。