HOME > 事業内容 > 平成26年度水質環境基準健康項目等基礎調査業務
最終更新日:平成27年5月25日
環境省
水質環境基準(健康項目)、要監視項目、要調査項目からなる水質管理体系における合理的な管理手法について検討を行った。特に、ニッケルや亜硝酸性窒素については、国内外のデータ類の収集や科学的知見の収集に加えて、位置づけや評価値の見直しの方向性を取りまとめた。
また、農薬については使用方法の特徴を踏まえた常時監視データの解析を行い、農薬におけるモニタリングの在り方に関する検討を行った。
過去の審議会答申等に基づく項目(物質)ごとの評価手順や判断基準に基づき構築した判定フローを用いて、現行の全ての水質環境基準健康項目及び要監視項目について位置づけの再評価を試行し、現行の位置づけとの比較を行った。 その結果、農薬や塩素系炭化水素を中心としたいくつかの物質について、再評価をした場合には現行と位置づけが変わる可能性が示唆された。
【判定フローのイメージ】
水道水の管理体系での位置づけの見直し等の動向を踏まえ、水環境においても亜硝酸性窒素を独立した項目として位置づける可能性等について検討を行った。水環境中での亜硝酸性窒素の検出状況、硝酸性窒素と亜硝酸性窒素の濃度の関係等のデータ類を整理するとともに、水環境に対する窒素負荷や環境中での窒素の挙動等の科学的な知見を整理し、それらを踏まえた位置づけや評価値の方向性について取りまとめを行った。
【亜硝酸性窒素の濃度分布を整理した例】
水道水の管理体系での評価値の見直しの動向を踏まえ、現在の「指針値なしの要監視項目」から、新たに指針値を設定する可能性等について検討を行った。ニッケルについての基礎的な情報の収集・整理に加えて、水道水の評価値の設定根拠となった海外の指針値等についても導出根拠を詳細に調査することで、評価値の設定に係る問題点や論点を明確にした。
平成25年度業務で取りまとめた事項を踏まえ、定量的なデータに基づく農薬の特徴を整理すると共に、常時監視データの詳細な解析を行い、現行のモニタリングの方法における問題点を整理した。また、過去の常時監視データが検出状況の評価に利用可能か否か検証する方法を提案し、チオベンカルブのデータを利用した試行的な解析を行った。
要調査項目については、国による全国での水質調査が継続的に行われており、近年では毎年数物質程度が調査対象として選定されている。本業務では、平成25年度末に公表された要調査項目を対象に、優先的に水質調査を行うべき物質の候補を提案した。物質の選定に際しては将来的な要調査項目の評価を視野に入れた指標を利用し、「人の健康への影響」「水生生物への影響」の観点から、それぞれ10物質程度を抽出した。
【物質の選定方法のイメージ】