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有害金属のPRTR届出排出量の算出方法等調査業務
最終更新日:平成26年6月12日
独立行政法人 国立環境研究所
独立行政法人 国立環境研究所では、水銀、鉛、カドミウム等の有害金属について、排出インベントリー及びマテリアルフローを継続的に把握するための研究を実施している。
本調査では、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)による届出排出量が、有害金属類のマテリアルフロー作成に利用できるかを検討することを目的として、非鉄金属製錬、蛍光ランプ製造、蓄電池製造を行っている事業所に対して、アンケート調査を行った。
調査対象事業所としては、水銀、鉛、カドミウムについて、原料等の不純物に由来する排出が想定される業種として非鉄金属精錬、原料としての使用が予想される蛍光ランプ製造と蓄電池製造の事業所を選定した。主なアンケート調査の内容は以下のとおりである。PRTR届出を行っていた場合には、過去の届出排出量を整理して事業所に提示したうえで回答を求めた。
<PRTRの届出を行っていた場合>上記の結果、届出を行っている事業所では、実測によって排出量を推計しており、これはいずれの年度でも同じだった。また、測定の結果が、定量下限値未満だった場合には、定量下限値の1/2を採用したり、ゼロを採用したりしていたため、排出量の誤差要因になる可能性が示唆された。
上記のアンケート結果に基づいて、PRTR届出データの全国排出量の推計への適用可能性について整理した。
PRTR届出を行っていない事業所からも、届出事業所と同程度の排出があることが示唆され、PRTR届出データをそのまま全国排出量として採用するのは過小になる可能性があることがわかった。
蓄電池製造については、多くの事業所から生産数量と工程別排出量が得られたため、活動量当たりの排出係数を算出し、海外の既存情報との比較を行った。その結果、本調査で算出した排出係数のほうが非常に小さくなっていたが、海外の既存情報では、排ガスの処理装置を設置していない場合の値だった。